母は私を妊娠して父と結ばれた。
でも、父に変化はなかった。
働かない、浮気する、喧嘩の度に、ヒステリーを起す母の面影が、今の私とどこか重なる。
これは、母が妹を妊娠していたときのこと。
幼子を抱えた妊婦は必死に家族を養うため、働いた。その頃、父は働かずに、妻以外の女と気の向くままに肉体関係を持った。
母はよく、この頃を思い出して、私に、自分がどれだけ苦労したかを話す。父の元夫として、あーだったこーだったの文句を交えつつ。
そして、母と父は、私が三歳の頃、離婚した。
離婚した日、母はまた妊娠していた。
私の弟。
私は、母が離婚した日のことを、よく覚えている。
お腹の膨らんだ妊婦が幼子の手を引き、2歳児の乗ったベビーカーを押しながら歩いていた。
母は小学生の私と妹にこう言った。
あんたたちを産んだから大変だった。
あんたたちのせいで。
産まなきゃよかった。
死ね。
私は、飼い犬のリードを柱に巻き付けて、なんとか輪を作ると、首を括ろうとした。
でも妹と、目が合って、やめたけれど。
大人になった私は思う。
何もかも子供のせいにして。
子供に罪はないだろう。
産まなきゃよかったなんて、なんでそんな風におこがましく言えるんだ?
子供を作ったのは誰だ?産むことを決意したのは誰だ?
そんなの、ただ、お前たちの卵子と精子が出会って、私達は、知らずに受胎しただけ。
産むも、産まないも、お前が選んだことなんだよ。
簡単に言えば、じゃあ、なんで産んだの?
出産がゴールなんかじゃないんだよ。
出産してようやくスタート地点なんだよ。
その後、子育てが待ってる。
知らなかったで済まされない。
親の影響で、子供の人格は形成される。
幼少期は特に影響を与える。
それが、その子にとっての苦痛なら。なおさら。
これは、自分勝手な、大人の都合で、虐待をしている、してしまった人全てに言いたい。
子供は、親のさじ加減で、どうにでもなってしまう。子供の人格をめちゃめちゃに破壊した上で、あなたは子供の人生の責任を取れますか?
あなたの人生と子供の人生は、全く別のものです。
あなたのしていることは、ただの八つ当たりです。
子供に産んでくれと言われて、産んだのですか?
違いますよね。
きっと、妊娠が発覚した日、あなたは色々と悩んだのですよね。
お金のこと、精神的なこと、周りのこと。
一度、産むことを決めた日のこと、思い出してみてください。
そして、子供にしたことの分以上に、抱きしめてあげてください。ごめんねと言ってください。
子供は親の愛をちゃんとわかりますから。
また、あなたがもしも限界なら、施設に預けるなり、養子にするなり、してください。
そして、その子の人生に今後一切関与しないでください。
それが、あなたにできる、最後の親としての責任です。
また、無理に産まないでください。
これは堕胎を推奨する発言ではありません。
今、迷っている人。
無理なら、無理してまで、産まないで、堕胎してください。
堕胎は悪ではないです。私みたいな立場の人間からすると。
また、それでも、産むのなら
なりふり構わず、きちんと育てあげてください。
日本には、生活保護、児童扶養手当、母子福祉資金などが国や自治体によってあります。
あなたがもし困っているのなら、あらゆる手段でサポートを調べてください。
知らぬは恥です。
貧困が引き金になって、私たちは虐待をうけました。だから、特に、経済的事情が原因であるなら、きちんとサポートを受けてください。
もし、相談できる相手が、いないのなら、私が相談に乗ります。
だから、子供を苦しめないで