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さっきから雑誌を読んでいる陽菜に伝わる熱視線
その視線のもとは陽菜の家に泊まりにやってきた麻里ちゃんからというのはわかってる。
さっきまでは雑誌を読んでるし、うっくりしようと思ってたから無視してたけど、かれこれ20分。
だんだんウザくなってきた。
「なぁに、麻里ちゃん」
そう麻里ちゃんの顔をみてると話しかければ驚いた
「なんで、たこちゅーなの?」
麻里ちゃんの唇はたこちゅーのまま陽菜に向けられていた。
さっきした質問をたこちゅーのまましゃべるから、意味がわからない。
「ねえふつうにしゃべって」
「へへ、かわいい?」
「は?」
「篠田のたこちゅー」
そう言って陽菜に向かってたこちゅーをまたしてくる麻里ちゃんはすごい笑顔だった。
確かにかわいい。
「うん、かわいいよ」
「ふふっ。でしょ?」
なんだろう、今日は機嫌がいいのかな
さっきからたこちゅーだった理由を聞くと
「陽菜に気づいて欲しくて」
「なにを?」
「んーと、陽菜にちゅーして欲しくてさ」
なにその、かわいいの。
素直にいえばいいのに、素直になれない麻里ちゃんの気持ちが表した行動は他人からみれば回りくどい。
でもその行動は陽菜にとってはとても心地いい。
「じゃあしてあげる」
たこちゅーしながらニコニコする麻里ちゃんに好きの気持ちを込めて、優しいちゅーをそのかわいらしい麻里ちゃんの唇に口付けた。
end