「ねぇ、看守さん」
見廻りをしていた不破は、暗い獄内を見回し声の主を探す。
「こっちこっち」
「…またお前か、鉢屋」
名前覚えててくれたんだ、と笑う囚人――鉢屋は、ゆっくりと立ち上がる。
「看守さん。俺のお願い、聞いてくれる?」
「何度も言っているだろう!お前を出す訳には…」
「ははっ…違う違う。今日は違うお願い」
いつも飽きもせずここから出せと言ってくる奴が、今日は違うお願いだと言う。おかしい。鉄格子に近付いてくる鉢屋を睨むが、奴にそんなことをしても無意味に等しい。
がしゃん、と鉄格子と手錠の当たる音が静かな獄内に響き渡る。鉄格子に手をかける鉢屋の手が、指が、やけに色っぽく見えた。
「ねぇ、看守さん。俺と楽しい事しない?」
手錠はそのままでいいからさ、と流し目で見てくる鉢屋に、不覚にも高鳴る胸。先刻色っぽいと感じてしまった己を恨んだ。
「ふ、ふざけるな!もう寝ろ!!」
大きく足音を響かせて牢から出ていく不破の後ろ姿を見送り、鉢屋は一人溜め息をついた。
「まだだったか。しかし…」
いけないとは分かっていても
本能には逆らえまい
「もうそろそろ、かな」
2010-1-25 18:14
※擬人化 女性向 閲覧注意!
【 快速×各駅停車 】
負けず嫌いな各駅は、快速に負けたくなくて数分前には出発するのに、いつも途中で追い抜かれてしまう。
では快速がどんなに性格が悪いかというと、そうではない。
快速が止まることの出来ない場所にも各駅は止まっている。そんな優しさを知っているから、安心して先に終着駅で待っていることができるのだ。
各駅もそれを分かっているから、自分を抜かして先に行ってしまった快速の通った道を素直に辿る。終着駅で待ってくれている快速を思いながら。
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オチはない(・∀・)
快速がドSで、「俺が止まらない所も止まってこいよ。でなければ“お仕置き”だ」みたいなのも萌える。
2010-1-5 08:09
ねぇ。地上に住むみんなは私たちの為に"晴れるように"と願ってくれるのよね。
でもね。私と彦星が会うのは雲の上。
晴れでも雨でも曇りでも、どんな天気でも会えるの。
曇りの方がいいかしら?
だってほら…私たちが仲良すぎて嫉妬しちゃうでしょう?
でもね。みんながお祈りしてくれて、私たちはとっても幸せ。
ほら。今年もきっと、七夕の夜は晴れるわ。
お祈りしてくれたあなたの願い、どうか叶いますように。
2009-7-7 19:30