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vV(*・з-)。{感想専用)゚+・

小説を読んだら
ぜひッ,感想をください☆.+゚

《読んだ小説のタイトル》は必ず書いてください '∀'

感想内容はアドバイスや応援メッセージ等,
なんでもドウゾッッ★

でも中傷や荒らしは絶対にしないでください;△;

KEY-MAN〜Opening〜

ある時代のある場所の小さな村に
不思議な赤ん坊が生まれた。

その赤ん坊は生まれた時から
首、両手、両足、肩、腹、背中に
太陽を型どったタトゥーのようなアザがあった。

村人たちはその赤ん坊を
『神に選ばれし子』として大事に大事に育てた。

やがて赤ん坊は成長し少年となった頃、
不思議な力を持つようになった。

心を操れる力である。

少年はその力をいかして、いろんな人の心を解き放し、
時には封じたりした。

人々はそんな少年を見て、
『心の鍵を操っている』
と言い出し、
少年のことを
《心鍵師(しんきし)》
と呼ぶようになった。

少年は心鍵師であることに誇りを持ち、
そしてどんな心でも操れる絶対的な自信があった。

だが、そんな少年にも閉ざせない心が現れた。

その心の持ち主も不思議な力を持っていた。

だが、少年のように心を操る能力ではなく、
少年とはまた違った能力であった。

時に炎を操り、時には動きを封じたり………
その者は様々な能力を持っていた。

心を操れることに絶対的な自信があった少年は
心が操れない者が現れたことによって
自信をなくし、
村人たちからも
《神の子》と呼ばれることもなくなった。

少年は存在価値のないことを感じ
とうとう自分で命を絶ってしまった。

少年は死ぬ間際、
あまりの悔しさに
自分の持っている
心を操る能力を8つに分けて
世界にばらまいてしまった。

その影響で世界中には
少年のばらまかれた能力を受け持った8人の
人間が生まれて来ると言われている。

人々はその者たちを
心鍵師……『KEY-MAN』と呼ぶようになった。

KEY-MAN〜no,2〜

「君の名前は?」

レイリーはにこやかな顔で質問した。

「…………スコール・レン」

男の子はスコールというらしい。スコールは少し警戒しながらも答える。

「そんな警戒すんなって。なにもしないって」

「そんな言葉まだ素直に信じれないに決まってんだろ………
あんたのこともよく分かんないし………」

「だーかーら、
俺の名前はレイリー・ラドクリフで、自由気ままに旅をする旅人なの!!」

「あ、そ」

スコールはスネたようにそっぽを向き、レイリーと目をあわせようとしない。レイリーもそんなスコールの様子に苦笑いを浮かべる。
夜の静かな空気が2人を包み込み、気まずい雰囲気を作り出す。それに耐えきれなくなったレイリーは口を開く。

「飯でもどう?といっても缶詰なんだけど――……」

「いらない」

即答するスコールだったが、静かな場の空気に空腹を合図するあの独特な高い音が響いた。その音を聞いたレイリーはとたんに笑い出す。

「はははっ……
なぁにやせ我慢してんのさ。毒なんか入ってないから食えよ……」

スコールに1つの缶詰と缶切りをぽんっと投げる。
スコールはそれを受けとると顔を赤く染めながら、缶詰の蓋をあける。

「なんの缶詰?」

「シーフードとパスタのミネストローネだ。」

「み??みねすと??;;」

「ミネストローネ!!スープのことだ。いいから食えって。絶品だから」

レイリーをにらみながらもスコールは缶詰の中身をスプーンですくいあげ、口へと運ぶ。

「ん!おいしい!!」

「だろ?俺は缶詰の中じゃ、それが一番好きなんだ」

レイリーは笑顔でそういう。スコールはあまりの美味しさにあっというまにたいらげてしまった。

「あー………おいしかった」

「よかったな………」

レイリーは鞄からタバコを取り出すと口にくわえ、火をつける。辺りに白い煙が舞う。

「レ、レイリーさんはタバコをよく吸うの?」

スコールは少し警戒しながらもレイリーに話しかける。

「やっと俺のこと、名前で呼んでくれたな」

レイリーは口から煙を吐き出すと嬉しそうに笑顔になる。

「レイリーさんじゃなくて、レイリーでいいよ」

「レ…レイリー………」

「そう。」

またレイリーは笑顔になる。

「タバコはな………よく吸うよ………
俺、タバコないと生きていけねーし」

少し笑う。

「レイリーってよく笑ったり笑顔になるよね………」

「泣いたり怒ったりするよりも、笑った方が人生楽しくなるだろ?俺は笑顔こそが最高に幸せになれる方法だと思うんだ」

そういうとまたにこっと笑う。
レイリーはよく笑顔になるせいか、笑顔がとてもよくにあう。第一印象は怪しい人だが、いざ話してみると意外にいい人なんだ………とスコールはそう思った。

「だからお前もすねたような顔しないで、笑え―――」

レイリーの言葉が途中で途切れ、険しい顔つきになる。スコールはそんなレイリーの様子にただならぬ気配を感じた。

「どうしたの?」

「しずかにッッ………
何か強い心を感じる………」

「心を………感じる??」

訳の分からない言葉にスコールは不安になる。

「この心は…………まさか……………」

何かをぶつぶつ呟きだすレイリーを見上げ、スコールは一層不安になる。

「だからなんなのさッッ………そんな変なこというのやめてよ―――――」

「やっほぉ〜」

突然夜の暗闇の中に聞き慣れない声が響く。スコールは辺りを見回したが誰もいない。

「スコール、上だ…………」

レイリーは上を見上げ言った。スコールもレイリーの言葉通りに上を見上げた。

「やっほー」

空にはピンク色のポニーテールに結った髪をなびかせる一人の少女の姿が宙に浮いていた。

「え?な、なんで??」

「久しぶりィ、レイちゃん♪すぐにボクの心に気付くなんてさすがだねぇ」

不気味に笑う少女………
その様子はなぜか恐怖を感じさせる。

『この子は………人間じゃない……』

スコールはなぜかそう感じた。

KYE-MAN〜no,1〜

「………強い心を感じるなぁ………」

殺風景な夜の草原を一人歩く男の姿があった。男はきょろきょろと何かを探すように、歩いていく。

「なんだこの感じ………
強い力を感じる…………
人間の力とは思えないな………」

気の感じるままに歩いて行くと大きな墓碑のような石がたっている場所へたどり着いた。大きな墓碑のような石にはびっしりと文字か刻まれていて、少し不気味な感じがする。

「強い力の正体はこれか…………」

大きな墓碑のような石の下にはボロボロになった服を着て、左腕には分厚く包帯が巻いてある5〜8才くらいの男の子が横たわっていた。男は男の子をゆっくりと抱き上げると悲しそうな顔になった。

〜*〜

どれくらいの時間がたったのだろう。ふと男の子は目を覚ました。目の前には暗い夜空が拡がる。男の子が辺りを見渡すと見慣れない男の後ろ姿が見えた。男の子は飛び起き、近くに落ちている鋭く尖った石を拾い男に向けた。

「お前誰だッッ!!」

聞き慣れない声に男はびっくりして振り返ったが、元気に立っている男の子の姿を見ると微笑み、口を開いた。

「俺の名前はレイリー・ラドクリフ。自由気ままに旅をする旅人だ。」

男の名はレイリーと言うらしい。レイリーはにこっと微笑むと男の子に近づいていった。

「来るなッッ!!お前もあいつらの仲間なのか!!?」

レイリーは困ったような顔になり、立ち止まった。

「あいつらって誰?俺、そんなやつ知らないし、会ったこともないよ……」

「嘘つくなッッ!!」

「嘘じゃない」

さらに男の子は険しい顔でレイリーを見つめる。
見れば見るほど奇妙な男だ。全身黒を身にまとい、炎のような真っ赤な髪がよく目立つ。さらに左頬にはタトゥーがはいっていて、ますます怪しく感じる。こんな奇妙な姿をした男を信じろと言われても無理があると男の子は思った。
そんなこととは裏腹に、レイリーはくだけた笑顔で男の子に近づいていった。

「来るなって言ってるだろ。僕に触れた瞬間にこの石を差すぞッッ」

だが、レイリーはためらわず男の子の元へ進んでいく。男の子は恐怖を感じ、レイリーに向け石を突き立てた。石はレイリーの右頬をかすめたがレイリーは顔色一つ変えずにそっと男の子を抱き締めた。

「大丈夫だ…………
俺は君の味方だ。辛いことがあったんだろ………」

その言葉に男の子は石を手放し、目からは涙が溢れた。レイリーは泣く男の子の頭をそっと撫でた。
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