音楽を聴きながら電車でボーッとしてたら突然煮付けの匂いが鼻を襲った。
なんか鰈とかそんな感じの匂い。
デパ地下とかスーパーなら驚きはしないけど、電車だったのびっくりした。
思わず振り替えると、斜め後ろのほうから
「切符のチェックをします」と車掌さんが現れた。
更に驚いた。
なぜ車掌さんから鰈の煮付けの匂いが?
もしくは誰かが他所で鰈の煮付けの入ったタッパでも開けたんだろうか。
それにしてはタイミングが良すぎる。
車掌さんに切符を渡す。なんだか変にドキドキした。
鰈の車掌さんは後ろの席の方へ消えていったが、煮付けの匂いは残ったままだ。
その後車窓から外を眺めながら悶々と車掌さんと鰈の煮付けとの接点について考えている。
途中、これが本当の【鰈(加齢)臭】とかいうのを思い付いて、自分でもげんなりした。
やっちゃった。
またやっちゃったよ。
自分の学習能力を疑うぜ。
怒りに任せてどっばどは吐き出しちゃったよ。
怒、怒、怒
昔お−なり由子の本で読んだ。
【怒り】の正体は【悲しみ】なんだって。
その時はよくわからなかった。
親兄弟以外と貶し合いの喧嘩なんてしたことが無かったから。
でも今ならわかる。痛いほど。
あの人にぶつけた【怒り】の正体は、「わたしをもっと大切にしてよ!」ってゆう身勝手な【悲しみ】
言い合いの喧嘩も、もっと体験しておけば対処法もわかったのかな。
「そんな使い馴れない物騒なモン持ってても怪我するだけだぜ?」
って大好きなルパンも言ってたけども。本当だね。
使い馴れない、醜い言葉はあの人の心を貫いた。
そしてそれはわたしにも跳ね返った。
おそらく全ては多分プライドのため。
くっだらないプライドのため。
大切にしてよ!って言えない。
どうせ自分にそんな価値無いのだとどっかで思ってるから。
全ては自信の無さから来てるんだ。
本当やんなっちゃうな。
覆水盆に帰らず、ね。
口に出した言葉は戻らない。
あの人も帰って来ず。
いや、帰ったのか。実家とゆう隠れ蓑に。