2013/6/15
Sat
22:31
母の、
話題:SS
何時もより夜になるのが早ひのは、今日が雨だからでせう。
黒ひ雲の隙間からまだ少し届く薄ひ陽は、澄んだ田の水を鏡面にするのです。
きつと今、とても静かな時間が流れてゐるのでせうが残念ながら私の頭は壊れてしまってゐるので、その静けさを感じることが出来ませぬ。
もうすぐ貴方がどこか遠くに行かれてしまつて1年が経とうとしてゐます。
御迎えの準備は出来て居りますから何時でもお帰りくださひな。
貴方に話したひことが湧ひて溢れさうだわ。
あらあら、私の可愛ひ嬰児がこちらをみて笑つてゐる。
この屈託のなひ笑みは誰に似たのでせうか。
云ふまでもござひませむわね。
さあ、嬰児よ。
今は沢山笑ふがよひ。
次に眠るとき、次に目覚めるときはおまへはあの人になるのだから。
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