まんじりともしない夜を数え
まんじりともしない昼を過ごし
まんじりともしない朝を迎え

                何を数え
                何時も過ごし
                何処に向かう

    僕らの砂の船は
    大海に漕ぎ出された



とめどもなく感覚を憶え
とめどもなく感情を抱き
とめどもなく感激を想う

                彼を憶え
                彼女を抱き
                誰を想う

    僕らの鉄の船は
    河の中で座礁している

                 1992 Mar 31


 話題:散文