私から流れ出る血。
不思議だ。
たとえ目に見えなくても、この流れ出る液体には「私」という情報がたくさん詰まっている。
この液体を調べることによって、「私」という一人の人間の過去も未来も分かってしまう。
私…私…なぜ私は「私」になったのか?
私の右手の甲は黒ずんでいる
皮が剥けては自然に治るのを待つ
時折血を滲ませながら
なぜこんなことをしているのだろう…
なぜこうなったのだろう…
と自問自答する
キッカケは単純だった
しかし様々な出来事が積み重なって…今の現状がある
過去を否定することは今の自分をも否定することになる
過去があったから、今の私がいる
何も変わらない
何も変えていない
でも着実に私の身体には変化がある
何をしているんだろう。
何がしたいのだろう。
自分が自分でなければどんなに楽だろう。
まるで役を演じるかのように…自分のすべてが人事だったら。