「此処は何処?」
貴方様の存じない場所です、と名も知らない男が呟く。呼応するように馬車馬が啼いた
「さようなら、ノクス様」
ご冥福を祈ります、
土埃と共に、馬車は消えた
その時、まだ僕は裏切りに気付いていなかった
「…?」
見慣れた城内に違和感
「ノクスは何処?」
そうだ、弟がいない
同じ血を分けた双子の弟
そういえば昼食の時も見かけなかった、どうして今まで気付かなかったのだろう?そうだ、父様なら何か知っているかもしれない、そう思って踵を返すと、沈んだ表情をしたメイドが立っていた
私達が幼い頃から面倒を見てもらった彼女なら、と口を開きかけた瞬間、彼女の言葉に遮られる
「何をお探しですか?」
「あ、ノクスを探しているの!」
坊ちゃまなら、
「…おりません」
「何処に行ったか、知らない?」
「坊ちゃまは、もういないのです」
「父様!」
ばん、と扉が跳ね開く
その音に眉さえ動かさず、父様はそこに平然と座っていた
「…マタンか」
「ノクスは何処」
「……」
「ノクスは今何処に居るの!」
「マタン、少し」
「答えて!」
父様は深く息を吐き出すと、私から目を逸らす。影を帯びたその表情は沈むように重たく、事態の深刻さを物語る
「遠い町だ、もう帰ってこない」
息ができなくなった
胃に氷が落ちたようだった
「…寒い」
はあ、と吐き出した息は白く、もう12月の終わりだ、白い物が空から降り出す。何も知らされていなかったのだから上着なんて着ているわけがない
どうして自分はこんなことに?
今朝食事を済ませた後、妙に辛気臭い顔をしたメイドが話し掛けてきた。旦那様からだ、と受け取った手紙にはあの人らしい几帳面な文字の羅列。「行って貰いたい場所がある」とだけ書かれたその紙切れをポケットに押し込み、浮かない顔したメイドに尋ねる
「姉さんは?言ってからじゃ駄目?」
「…いけません」
いつもなら優しい微笑みを湛えて快くいいですよ、と言ってくれるのに、今日の彼女は頑なに首を横に振るだけだった。それを不審には思ったけれど、咎めはしなかった。 さあこちらへ、と行って馬車の方に導かれる
「今日和ノクス様」
「この馬車は何処にいくんだ?」
「…良い所ですよ」
蹄の音に紛れて、小さく さようなら、と聞こえたような気がした
最初の裏切り
パーシファルの雷槍って雷神様と関係あるかな…
いや 流石にこれはないな
でもローザ女王の側近だしパーシファル いやいや左腕見る限り関係なさそうだけども
でも雷の槍…放ったんだよなあ雷神様 でもパーシファルの雷槍は比喩かなんかかなあ でも閣下がそういうまどろっこしいことするかなあ
無理(´∀`)
しあわせだった
しあわせだったの
どんなに嘆いても過去は過去
わたしの大切な、わたしの
どうして きづけなかったの
大好きな空 大好きな町
(それが幻だとしても?)
誰?あなたは、誰?
(そんなことはどうでもいいんだよ)
(…ねぇ君 生きてるのって楽しいかい?)
うん 楽しいよ、この空も町も人もみんな大好きだから
(…へえ?)
(じゃあ君はしあわせなんだね?)
? そうだよ?
(それが偽りだとしても?)
…え?
(君以外の人はみんな君を騙していたとしたら、どうする?)
な、にを
(そのしあわせも全部造られたものだったら?)
(あれ?否定しないのかい?ふふ、)
…っ ちがう!ちがうよ!
(なにが ちがうんだい?)
………!!!
(さみしいの?さみしいなら、)
さみしくなんて、ない!
(そうなの?あはは!強がりだね)
ちがう、ちがうの!
(じゃあなんで信じてる、って言えないんだい?)
それ、は
(ねぇ、君が死んだら誰か哀しんでくれるかな?君の為に泣いてくれるのかな?)
や、めて
(君がいなくても みんな笑ってるよ、きっと)
やだ…いや、だ
(なにが嫌なの?認めたくないのかい?なんで泣いているんだい?なにが哀しいんだい?ねぇ、)
(生きてるのって、楽しいかい?)
(君を失うまで、逃がさない)
少年こわい!そしてしつこい!
失われし詩の少女ってミナでいいのか!はたしてこれでいいのか!(遅い)