話題:おやすみなさい
■「これが私・・・・・・・?」
旧校舎のトイレ。鏡に映った自分を透見はまじまじと見つめていた。
彼女の名前は透見明子(とうみめいこ)先ほど蘭姫たちが屋上で出会ったカセンのクラスメイトだ。
「・・・・まさかこんなかわいい子がうちのクラスにいたとわねー・・・」
意外だったわー・・・と明子の肩に手を置きにやにやと顔を覗き込むカセン。
「はい。私も・・ずっと怖い人だとうわさのカセンさんが・・・・・・・・こんな容姿の可愛げなお姉さまだとは思いませんでした・・・・!」
素直に答えた明子に対して「どういう意味よ!!!」とカセンは声を荒らげた。
「ごめんなさいね。あの子・・・こういう子だからなかなか周りにちゃんと理解されてもらえなくて・・・・・」
すまなそうに麗姫が彼女とカセンの間に入る。麗姫の後ろになったカセンはどうどうとばかりに蘭姫になだめられていた。
「だから透見さん。これからこの子と一緒ににクラスに授業を受けに行ってほしいの。」
麗姫の提案に「え!?何で!?????」とカセンが驚く。
「だって仕方ないでしょう。ここでの私たちの関係は屋上以外では秘密ですもの。でも透見さんとカセン・・・・さんは同じクラスなんだから一緒にクラスに戻っても不思議じゃないでしょ?」
そういう麗姫の発言に一瞬含みがあった。
「気にしなくていいのよ。麗姫。あんたはあたしより学年は上だし屋上ではそういうのは無礼講ってしてあるんだから!」
素直にカセンと呼びなさい!そういうカセンに照れ臭そうに、そしてどこか少し苦しげな様子で麗姫は笑った。
もし・・・私があなたを”カセン”と呼んで。これ以上の関係性を作ってしまったら・・・・・・・・・・・
麗姫は思った、何物にもとらわれない自由な感性の彼女まで教師たちの餌にしたくない。
生徒という名の鎖で繋がれ・・・・・教師の名誉のために広告塔となり校内を歩く自分を麗姫はあまりよく思ってはいなかった。だから妹の蘭姫のことは蘭姫と呼べるけれどもカセンのことはまだ名前では呼ぶことができなかった。
「わかりました・・・・!」
明子は麗姫の申し出にキラキラとした瞳を向けてその手を握った。
「私。カセンさんとクラスに行きます。今まで毎日通っていても誰も気づかず出席扱いにもしてもらえなかった・・・・・・けれどもずっとクラスにあこがれていて・・・・・・そんななかに入れる自分を作ってくださった麗姫様の頼みですもの・・・・!私。カセンさんを必ず不登校から更生させて見せます!!!!」
その瞳はどこかやる気に満ちていた。
「だからどういう意味よ・・・・もう・・・・!!」
「あ・・・・チャイム・・・・・!!!」
「あ・・・・・。」
明子はトイレにおいてあった誰かの忘れ物であろう古びた鏡をもってカセンを連れ教室へと走って行った。
「姉さん・・・」
「え?どうしたの?蘭姫」
二人になったところで蘭姫が麗姫の制服の袖を握る。
「ここって学校の怪談噺の一つの場所じゃないかな・・・・・・誰が落としたかわからない古びた鏡を拾うとその人は・・・・・・・・」
・・・・・・「大丈夫よ。蘭姫。ここは妖学院。・・・・・そう。さっきまで〇〇とかいわれてましたけど百合の花学院ですから。」怪談噺の一つや二つ・・・・・・・・・私たちの能力でねじ伏せてやりますわよ。
そういって麗姫は蘭姫の手を引いてその場を後にした。その後方の鏡には連れて歩かれる蘭姫の手に触れようと追いかける白い手が無数に映っていた(※ホラー苦手な方はスミマセン^^;※)
------教室。
カセンと明子が教室に入ると室内からはどよめくような声が上がった。
「あ・・・あのカセンさんが教室に・・・・!?????」
「今日の授業は荒れるんじゃないかしら・・・!」
「あ・・・もうすぐ授業の時間・・・・・・・・・お昼休みが終わって先生が来・・・・」
その時だった。いきなり教室のドアというドアがすべて締まりカーテンが誰の手も借りることなく買ってに窓からの光を遮断した。
「え・・・何!???????」「何なの!??」
驚くクラスメイト達。
と。明子がどこからかとどろくような音を立て声を上げた。
「私を・・・・・私を鏡に閉じ込めたのは誰だぁ・・・・・・!!!」
目から血の涙が流れる明子。
「わたしは・・・・学校に学校に行きたかった・・・・・・・なのに透明人間に生まれ鏡にも映らない・・・・・・・・・・・・泣いてばかりの私を鏡に閉じ込め封印したのはどこのどいつだ・・・・・・!!!!!」
意味不明である。もともと透明人間だった明子が言うだけ当てなおさら意味が分からない。
「え・・・ていうか・・・・このこ・・・・・・・・誰・・・・?透明人間って・・・・」
クラスの皆がやっと明子の存在に気づく。
「もしかしてずっと不登校だった透見明子さん!?????」
その声を聴いて明子はうろたえた。「違う・・・私は・・・・・!!!!誰かが・・・・・頭の中を支配してるんです・・・・・・・・・!!!!!!!」困惑する明子。血の涙がぽたりと落ちると鏡が真っ赤に染まりあがる。
「・・・・ねぇ・・・・」カセンが口を開いた。
「あんたはさ。・・・・・今日屋上で。自分の能力をコントロールすることができて今の自分の姿をさらけだせることができたんだよね?」
「え・・・・?」困惑する明子に鏡は明子を支配しようとどんどん彼女の体に密着し吸収していこうとする。
「・・・・なら。鏡の先の子も・・・・・・・・・姿をさらしてあげることができるんじゃない?」
「え・・・・・?」
でも私は・・・明子はさらに困惑した。私のふれたものは皆透明になってしまう・・・・・・・
「でもあんたは今実態を保ってるし触れたものも透明になってないよ。なんならもう一度「試してみる?」
そういってカセンは明子の持つ鏡の上に手を置いた。
「さぬ・・・・・許さぬ・・・・・!!!!みな透明になってしまえええええええええええ!!!!!!!」
カッ
・・・・・・鏡から光が伸びる。そして明子の周りから人の姿が消えた。
え・・・・・・?
私・・・・・・・
「独りぼっち・・・・・・?」
驚く明子。
しかし
「なぜおまえは透明にならぬのだ!!!!我が呪いはどの術者よりも強力なはずだ!!!!!」
そう言って鏡は続ける・・・・・・・
「まさか・・・お前は・・・・・!!!!!透明化の能力を・・・・・!????」
「そう。明子はそれを打ち消すことも使うこともできるのよ」
どこからかカセンの声が聞こえた。近い。見えないはずなのにどこかぬくもりを感じる。
「カセンさん・・・・!!!!!」
私、やってみます。涙を流しそうになった明子であったがそれを拭き笑顔を見せる。
「鏡よ鏡・・・・・・呪いの鏡よ・・・・・・!真の呪い。この遠見明子が見破ったり・・・・・・・・!!!!!!」
そう。呪いの本体は・・・・・・・・・透明という名の甘美で美しいその姿をねたんだ者からの不のエネルギーである。
「私は今日初めて鏡に映った自分を見て”綺麗”だと思った。私も。みんなと同じ。人の形をした妖で・・・・・・・・・・・素敵な女性になりたいって思った。」
透明だからあなたもきっと何色にでも染まってしまう。
「その負のエネルギーをすべて捨てて私の前に本当の姿を現して・・・・・!!!!!!」
明子が鏡を天にかざすと閉じられていたカーテンから窓が全部ガラスを破り光を室内に呼び込んだ。
「あなたはこんな不完全に濁ったガラス片とはちがう・・・・・本当にきれいなものだけを映す鏡・・・・・・・・・・・だから本当のあなた自身は・・・・・」
「私と同じ・・・・・”ヒト”なのよ・・・・・!!!!」
「明子・・・!!!」
ふいにカセンの声が聞こえて明子は何かに抱きしめられた感覚に襲われる。
いきなりのことで一瞬驚き目を閉じた明子であったが目を開けるとそこには明子を抱きしめるカセンがいた。
「・・・・あれ・・・・・私・・・・・・?」
なぜかカセンを抱きしめようとする明子の手がすけ始める。
しかし。
「有難う・・・・・・。」
ぎゅっとその手を誰かに捕まれ。透明化は元に戻った。
「え・・・・・?」
明子はその姿を見て驚いた・・・・・・・
「もしかして・・・・・・”おばあちゃん・・・・・・?”」
それは仏壇で見た明子の祖母の若い頃にそっくりであった。
「お・・・おば・・・・!?????私は・・・私はまだそんな歳じゃ・・・・///!????????」
急に外に出たことで恥ずかしがって赤面するその女性。鏡の封印から出て気は女性はかなりの美貌を放っていた。
「そうよ・・・明子のおばあちゃんなら結婚してるはずでしょ?この人はこの姿のまま封印されてたんだから・・・・別人よ。」
そういうカセンに「明子・・・・?」
女性はその名前に反応したようだ。
「まさか・・・・・・・・・・・・あなたのいうおばあちゃんって・・・・」
------
「え・・・・・・?」
彼女の口から出たのは確かに明子の祖母の名前であった。
「その子は私の姉よ・・・思い出したわ。姉は私と違って能力のコントロールをすることができた。
だからすぐにクラスの男子に目をつけられて・・・・・・・・・・・・・ううん。言い方が悪いわね。それをねたんだ私が姉を鏡に閉じ込めようとして・・・・・」
どうやら彼女はその呪いに失敗して自らが封印されることになったらしい。
それすらもねたむ彼女はいつしか記憶を忘れ憤りのない怒りだけが鏡にすら写らない自分にたまっていったのだという・・・・・。
「えっと・・・・・」
これからどうするんだろう。おばあちゃんの妹さんは天国にいくのかな・・・・・・?
明子がそう思っていると「誰だー・・・・・・盛大に教室を荒らしたのはー・・・・!!!」と授業の講師が教室にやってきた。
そして
「なんと麗しい女性じゃないか・・・・・!!!ぜひとも・・・・このミノタロスの俺と結婚してほしい・・・・・・・・!!!!!」
手を握り女性にいきなりプロポーズをする男性教師に女性は二つ返事で頷くのだった。
翌日。
「臨時の副担としてこの学院への配属がきまりました!透見明美(あけみ
)です!!」
女性は教師としてまた彼女たちの前に現れた。
「え・・・・・副担って・・・・・・?いきなり現代現れて生活どうしてんの。あの人・・・・・?」
突っ込みを入れるカセンに「それが・・・」ともうしわけなさそうに鏡を見せる明子。
「どうやらこの鏡に居ついちゃったようで・・・・・私が肌身離さず持ち歩くことになったのです・・・・・・・・・」少々すまなそうな顔をする明子に
「でもよかったじゃん」とカセンは言った。
「透明人間の辛さ。今回のことでみんなもわかったんじゃない?明美先生がちゃんと結婚式までいければその鏡もきっと先生の手に渡ると思うよ。よかったじゃない・・・・あ。ううん。私教師きらいなんだった・・・」
・・・そういうカセンに素直じゃないな。と明子はくすりと笑いながら始まる授業の時間に向けて机に顔を向けるのであった。
-----
※とりあえず今回は明子とカセンの仲良し回。オムニバスな感じで蘭姫回とか麗姫回とかもできたらいいなとおもいます・・・・・オムニバスと言っていいのか。わからないがそんな感じでお願いします。
■「これが私・・・・・・・?」
旧校舎のトイレ。鏡に映った自分を透見はまじまじと見つめていた。
彼女の名前は透見明子(とうみめいこ)先ほど蘭姫たちが屋上で出会ったカセンのクラスメイトだ。
「・・・・まさかこんなかわいい子がうちのクラスにいたとわねー・・・」
意外だったわー・・・と明子の肩に手を置きにやにやと顔を覗き込むカセン。
「はい。私も・・ずっと怖い人だとうわさのカセンさんが・・・・・・・・こんな容姿の可愛げなお姉さまだとは思いませんでした・・・・!」
素直に答えた明子に対して「どういう意味よ!!!」とカセンは声を荒らげた。
「ごめんなさいね。あの子・・・こういう子だからなかなか周りにちゃんと理解されてもらえなくて・・・・・」
すまなそうに麗姫が彼女とカセンの間に入る。麗姫の後ろになったカセンはどうどうとばかりに蘭姫になだめられていた。
「だから透見さん。これからこの子と一緒ににクラスに授業を受けに行ってほしいの。」
麗姫の提案に「え!?何で!?????」とカセンが驚く。
「だって仕方ないでしょう。ここでの私たちの関係は屋上以外では秘密ですもの。でも透見さんとカセン・・・・さんは同じクラスなんだから一緒にクラスに戻っても不思議じゃないでしょ?」
そういう麗姫の発言に一瞬含みがあった。
「気にしなくていいのよ。麗姫。あんたはあたしより学年は上だし屋上ではそういうのは無礼講ってしてあるんだから!」
素直にカセンと呼びなさい!そういうカセンに照れ臭そうに、そしてどこか少し苦しげな様子で麗姫は笑った。
もし・・・私があなたを”カセン”と呼んで。これ以上の関係性を作ってしまったら・・・・・・・・・・・
麗姫は思った、何物にもとらわれない自由な感性の彼女まで教師たちの餌にしたくない。
生徒という名の鎖で繋がれ・・・・・教師の名誉のために広告塔となり校内を歩く自分を麗姫はあまりよく思ってはいなかった。だから妹の蘭姫のことは蘭姫と呼べるけれどもカセンのことはまだ名前では呼ぶことができなかった。
「わかりました・・・・!」
明子は麗姫の申し出にキラキラとした瞳を向けてその手を握った。
「私。カセンさんとクラスに行きます。今まで毎日通っていても誰も気づかず出席扱いにもしてもらえなかった・・・・・・けれどもずっとクラスにあこがれていて・・・・・・そんななかに入れる自分を作ってくださった麗姫様の頼みですもの・・・・!私。カセンさんを必ず不登校から更生させて見せます!!!!」
その瞳はどこかやる気に満ちていた。
「だからどういう意味よ・・・・もう・・・・!!」
「あ・・・・チャイム・・・・・!!!」
「あ・・・・・。」
明子はトイレにおいてあった誰かの忘れ物であろう古びた鏡をもってカセンを連れ教室へと走って行った。
「姉さん・・・」
「え?どうしたの?蘭姫」
二人になったところで蘭姫が麗姫の制服の袖を握る。
「ここって学校の怪談噺の一つの場所じゃないかな・・・・・・誰が落としたかわからない古びた鏡を拾うとその人は・・・・・・・・」
・・・・・・「大丈夫よ。蘭姫。ここは妖学院。・・・・・そう。さっきまで〇〇とかいわれてましたけど百合の花学院ですから。」怪談噺の一つや二つ・・・・・・・・・私たちの能力でねじ伏せてやりますわよ。
そういって麗姫は蘭姫の手を引いてその場を後にした。その後方の鏡には連れて歩かれる蘭姫の手に触れようと追いかける白い手が無数に映っていた(※ホラー苦手な方はスミマセン^^;※)
------教室。
カセンと明子が教室に入ると室内からはどよめくような声が上がった。
「あ・・・あのカセンさんが教室に・・・・!?????」
「今日の授業は荒れるんじゃないかしら・・・!」
「あ・・・もうすぐ授業の時間・・・・・・・・・お昼休みが終わって先生が来・・・・」
その時だった。いきなり教室のドアというドアがすべて締まりカーテンが誰の手も借りることなく買ってに窓からの光を遮断した。
「え・・・何!???????」「何なの!??」
驚くクラスメイト達。
と。明子がどこからかとどろくような音を立て声を上げた。
「私を・・・・・私を鏡に閉じ込めたのは誰だぁ・・・・・・!!!」
目から血の涙が流れる明子。
「わたしは・・・・学校に学校に行きたかった・・・・・・・なのに透明人間に生まれ鏡にも映らない・・・・・・・・・・・・泣いてばかりの私を鏡に閉じ込め封印したのはどこのどいつだ・・・・・・!!!!!」
意味不明である。もともと透明人間だった明子が言うだけ当てなおさら意味が分からない。
「え・・・ていうか・・・・このこ・・・・・・・・誰・・・・?透明人間って・・・・」
クラスの皆がやっと明子の存在に気づく。
「もしかしてずっと不登校だった透見明子さん!?????」
その声を聴いて明子はうろたえた。「違う・・・私は・・・・・!!!!誰かが・・・・・頭の中を支配してるんです・・・・・・・・・!!!!!!!」困惑する明子。血の涙がぽたりと落ちると鏡が真っ赤に染まりあがる。
「・・・・ねぇ・・・・」カセンが口を開いた。
「あんたはさ。・・・・・今日屋上で。自分の能力をコントロールすることができて今の自分の姿をさらけだせることができたんだよね?」
「え・・・・?」困惑する明子に鏡は明子を支配しようとどんどん彼女の体に密着し吸収していこうとする。
「・・・・なら。鏡の先の子も・・・・・・・・・姿をさらしてあげることができるんじゃない?」
「え・・・・・?」
でも私は・・・明子はさらに困惑した。私のふれたものは皆透明になってしまう・・・・・・・
「でもあんたは今実態を保ってるし触れたものも透明になってないよ。なんならもう一度「試してみる?」
そういってカセンは明子の持つ鏡の上に手を置いた。
「さぬ・・・・・許さぬ・・・・・!!!!みな透明になってしまえええええええええええ!!!!!!!」
カッ
・・・・・・鏡から光が伸びる。そして明子の周りから人の姿が消えた。
え・・・・・・?
私・・・・・・・
「独りぼっち・・・・・・?」
驚く明子。
しかし
「なぜおまえは透明にならぬのだ!!!!我が呪いはどの術者よりも強力なはずだ!!!!!」
そう言って鏡は続ける・・・・・・・
「まさか・・・お前は・・・・・!!!!!透明化の能力を・・・・・!????」
「そう。明子はそれを打ち消すことも使うこともできるのよ」
どこからかカセンの声が聞こえた。近い。見えないはずなのにどこかぬくもりを感じる。
「カセンさん・・・・!!!!!」
私、やってみます。涙を流しそうになった明子であったがそれを拭き笑顔を見せる。
「鏡よ鏡・・・・・・呪いの鏡よ・・・・・・!真の呪い。この遠見明子が見破ったり・・・・・・・・!!!!!!」
そう。呪いの本体は・・・・・・・・・透明という名の甘美で美しいその姿をねたんだ者からの不のエネルギーである。
「私は今日初めて鏡に映った自分を見て”綺麗”だと思った。私も。みんなと同じ。人の形をした妖で・・・・・・・・・・・素敵な女性になりたいって思った。」
透明だからあなたもきっと何色にでも染まってしまう。
「その負のエネルギーをすべて捨てて私の前に本当の姿を現して・・・・・!!!!!!」
明子が鏡を天にかざすと閉じられていたカーテンから窓が全部ガラスを破り光を室内に呼び込んだ。
「あなたはこんな不完全に濁ったガラス片とはちがう・・・・・本当にきれいなものだけを映す鏡・・・・・・・・・・・だから本当のあなた自身は・・・・・」
「私と同じ・・・・・”ヒト”なのよ・・・・・!!!!」
「明子・・・!!!」
ふいにカセンの声が聞こえて明子は何かに抱きしめられた感覚に襲われる。
いきなりのことで一瞬驚き目を閉じた明子であったが目を開けるとそこには明子を抱きしめるカセンがいた。
「・・・・あれ・・・・・私・・・・・・?」
なぜかカセンを抱きしめようとする明子の手がすけ始める。
しかし。
「有難う・・・・・・。」
ぎゅっとその手を誰かに捕まれ。透明化は元に戻った。
「え・・・・・?」
明子はその姿を見て驚いた・・・・・・・
「もしかして・・・・・・”おばあちゃん・・・・・・?”」
それは仏壇で見た明子の祖母の若い頃にそっくりであった。
「お・・・おば・・・・!?????私は・・・私はまだそんな歳じゃ・・・・///!????????」
急に外に出たことで恥ずかしがって赤面するその女性。鏡の封印から出て気は女性はかなりの美貌を放っていた。
「そうよ・・・明子のおばあちゃんなら結婚してるはずでしょ?この人はこの姿のまま封印されてたんだから・・・・別人よ。」
そういうカセンに「明子・・・・?」
女性はその名前に反応したようだ。
「まさか・・・・・・・・・・・・あなたのいうおばあちゃんって・・・・」
------
「え・・・・・・?」
彼女の口から出たのは確かに明子の祖母の名前であった。
「その子は私の姉よ・・・思い出したわ。姉は私と違って能力のコントロールをすることができた。
だからすぐにクラスの男子に目をつけられて・・・・・・・・・・・・・ううん。言い方が悪いわね。それをねたんだ私が姉を鏡に閉じ込めようとして・・・・・」
どうやら彼女はその呪いに失敗して自らが封印されることになったらしい。
それすらもねたむ彼女はいつしか記憶を忘れ憤りのない怒りだけが鏡にすら写らない自分にたまっていったのだという・・・・・。
「えっと・・・・・」
これからどうするんだろう。おばあちゃんの妹さんは天国にいくのかな・・・・・・?
明子がそう思っていると「誰だー・・・・・・盛大に教室を荒らしたのはー・・・・!!!」と授業の講師が教室にやってきた。
そして
「なんと麗しい女性じゃないか・・・・・!!!ぜひとも・・・・このミノタロスの俺と結婚してほしい・・・・・・・・!!!!!」
手を握り女性にいきなりプロポーズをする男性教師に女性は二つ返事で頷くのだった。
翌日。
「臨時の副担としてこの学院への配属がきまりました!透見明美(あけみ
)です!!」
女性は教師としてまた彼女たちの前に現れた。
「え・・・・・副担って・・・・・・?いきなり現代現れて生活どうしてんの。あの人・・・・・?」
突っ込みを入れるカセンに「それが・・・」ともうしわけなさそうに鏡を見せる明子。
「どうやらこの鏡に居ついちゃったようで・・・・・私が肌身離さず持ち歩くことになったのです・・・・・・・・・」少々すまなそうな顔をする明子に
「でもよかったじゃん」とカセンは言った。
「透明人間の辛さ。今回のことでみんなもわかったんじゃない?明美先生がちゃんと結婚式までいければその鏡もきっと先生の手に渡ると思うよ。よかったじゃない・・・・あ。ううん。私教師きらいなんだった・・・」
・・・そういうカセンに素直じゃないな。と明子はくすりと笑いながら始まる授業の時間に向けて机に顔を向けるのであった。
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※とりあえず今回は明子とカセンの仲良し回。オムニバスな感じで蘭姫回とか麗姫回とかもできたらいいなとおもいます・・・・・オムニバスと言っていいのか。わからないがそんな感じでお願いします。