純粋に、倖せだと悦ぶ気持ちは、当然ある。
『嬉しい』『倖せ』
素直にそう思うのは、間違い無くある本当の気持ち。
なのに、多少の罪悪を感じてしまうのは、
同情と云う、浅ましい感情に他ならない。
きっと、
わたしが割り込んだ。
もし今、わたしが此処に居なかったら。
こんなに急激な変化は訪れなかったかも
知れない。
…なんて。
思う事が、偽善だ。
其の裏側で、秘かに
感じる優越こそが。
わたしの本音に
他ならないのだから。
誰よりも想われたい。
そう願ったわたしの
手にした結果は、
他人の倖せの上に
築かれて居る。
決して意図した訳では無かった。
其れでも。
わたしが心底欲しいと願ったものは、必然的に二択を迫るもので、結果として他者を
蹴落とす事でしか
得られないとしたら。
矢張其れは、わたしが謀ったのだと云う事になるのか、否か。
御免なさい。
其れも紛れも無くあるわたしの思い。
嗚呼、でも。
これだけは譲れない。
だから、御免なさい。
潔く、諦めて?
本当は。
大っぴらにあのひとを想う自由すら、与えてあげたく無いと思う。
きっとわたしは、
酷く歪んで居るに
違いない。