僕の友人Mくんは、何度も言うようにとても惚れっぽい。
またも誰かに恋したらしいMくんは、僕とSくん相手に恋愛相談を始めた。
「今回はイケると思うんだ。今までと違って反応も悪くないし、ウザがられてもいない。でも付き合うまでいかないんだよなぁ…。」
なぁ、どうしたらいい、と、いつものように相談するMくん。
散々、僕らに相談して酷いこと言われているにもかかわらず相談してくるMくんは、実は本当の馬鹿なんじゃないか、と僕は思った。
するとSくんがいつものようにきついことを言った。
「押してもダメなら引いてみろ、相手も大喜びだ」
と。
「なっ…だから、今回は大丈夫だって!俺の勘違いなんかじゃないんだって!」
と、珍しくもMくんがSくんに反論をした。
まぁ、たまにはこういうのもいいか…と、僕は傍観することを決めた。
Mくんに彼女が出来る日は来るのか…それはまた別のお話。
僕の友達のMくんは、とても惚れっぽい。
「はぁ…見つめるだけで胸が痛い…」
クラスで一番可愛いと噂される女の子を見て、Mくんはそう呟いた。
「バラの花束の彼女はどうしたの?」
僕がそう聞くと、
「あいつの言う通り、バラの花束は不評だったよ」
と、うなだれている。
「それはそれは」
実行したことにびっくりだよ。
「『見つめるだけで胸が痛い』か。相手は頭が痛いだろうよ」
いつから聞いていたのか、本を読んでいたSくんがそう言った。
「なんでそんなこと言うんだよぉ…」
それを聞いたMくんは半泣きだ。
相変わらずSくんは容赦ない。
まぁMくん限定みたいだけど。
この2人、これで幼馴染みだというから面白い。
今日も楽しい1日になりそうだ。
席が近いという理由で仲良くなったSくんは、とても毒舌。
僕が席に着くと同時に聞こえてきた、Sくんの言葉。
「バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ」
………はい?
「…なんの話?」
思わず聞いてしまったのは僕のせいじゃない。
「あぁ、おはよう。こいつがまたバカなこと言い出したから」
そう言って指をさしたのは、同じ理由で仲良くなったMくん。
簡単に言うと、Mくんが好きな女の子の誕生日にバラの花束を贈るとか言い出したらしい。
「…なるほど」
確かにバカだ。
「……2人してバカって言うなーっ」
そんなMくんの絶叫は、予鈴に掻き消された。
僕の友達のMくんは、いいやつだけどちょっと自意識が過剰なところがある。
今日も今日とて、僕とMくんとSくんの3人で話していたら、Mくんが突然。
「あっ、あの子と今目があったのにすぐそらされた!あの子俺に気があるのかなぁ…」
なんて言い出した。
僕は、あぁ、またか…と思ったが、特に何も言わなかった。
面倒だったし。
だけどSくんは違ったみたい。
「目を逸らされるのは照れてるからじゃないって気づこうね」
「「………」」
僕ら2人は、何も言えなかった。
僕の友達のSくんはとても毒舌。
特にMくんに対しては容赦がない。
でも、そんな2人と過ごす時間は、僕はそんなに嫌いじゃない。
◇投げやりアドバイス5題
1.目を逸らされるのは照れてるからじゃないって気づこうね
2.バラの花束贈っていいのは二次元の住人だけだからさ(or手編みマフラー)
3.「見つめるだけで胸が痛い」か、相手は頭が痛いだろうよ
4.いつ電話しても話し中ってそれ着拒だから
5.押してもダメなら引いてみろ、相手も大喜びだ
お題:確かに恋だった