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アゲハ蝶

ああ、貴方がいる。

ただそれだけでよかったのに

貪欲になった僕は

その先を求めてしまった

貴方に愛されたいと

思うようになってしまった

貴方が望むのなら何でもしよう

たとえ許されないことでも

嗚呼、これが、恋、か。


――貴方という蝶を追いかける――

サウダージ

その日、私は恋心に別れを告げた。

「別れてほしいんだ」
「…わかった」

突然の別れ話
首を縦に振ることしかできなかった私
最後に笑顔でサヨナラと言ったのは、精一杯の意地。

本当はまだ好きだ。
愛してる。

今までの甘い生活って、何だったんだろうね。

涙すら出てきてくれなかった。

愛を紡いだ言葉も今では色褪せ

いっそのこと海の底で貝になりたい

貴方を思い出させて

楽しかった思い出を水に映しだして

貴方が私のすべてでした

でもずっとなんて無理なんだよ

しばらくの間、サヨナラ恋心。

また会いましょう。

たしかに永遠を感じました。

ジョバイロ

私と貴方は幼なじみだったね

貴方は泣き虫で、いっつも私の影に隠れてた

いつからかなぁ

貴方が私を追い越して

「彼女ができた」

嬉しそうに報告する貴方

私は胸にもやもやを抱えた

そのもやもやが恋心だとわかったのが遅かったんだね

貴方はもう私がいないと何もできない小さな男の子じゃないし

私が気付けなかった

この恋心は貴方が気付かせたものなのに

貴方は私から遠く離れてしまった

この恋心の行き先はどこなの

もう手遅れだけど、

貴方が好きでした。

横浜リリー

「明日はどちらに?」
「どこだって構わないだろう」

また帰ってくるからさ、と、男は言う。

何回目だと思ってるの?
今度はいつ戻るの?

「じゃあ、また」

部屋を出る後ろ姿がそう言って消えた。

いつも嘘ばっかりの貴方

でも、これだけは嘘じゃ許さないから

―――――

三ヶ月経った

あの人は帰って来ない

きっと貴方のことね
私なんか忘れちゃって
男らしくなりたいと
必死で引き金を握って

ねぇ

こんな結末望んでなかったわよ

冷たくなった貴方の頬をなぜる

大好きだよって抱きしめてよ
愛してるって100回言って

私は引っ越した。
あの人の匂いが残るアパートを去った

誰も私を知らない場所へ

さようなら。

Prisoner Of Love

私は、ずっとあの子が好きだった。

「行ってきます!」
「行ってらっしゃい」

都会は物価が高いから、と、マンションをあの子とシェアすることになって、私はちょっと、ううん、かなり嬉しかった。
でも、

「今日も彼氏と会うから先に寝てていいからね!」

あの子には、彼氏がいる。

もともと女同士ってのは間違いだって知っているし、あの子は私の本当の気持ちを知らない。
知ったら絶対に気持ち悪がられるだろう。
でも、好きなんだ……。

「お、このネックレス可愛いね」
「でしょ!彼がプレゼントしてくれたの!」

満面の笑みのあの子に、精一杯の偽りの笑顔を向けた。

次の日、あの子は泣いていた。
彼氏と喧嘩して、別れることになったらしい。
私の腕の中で泣き震えるあの子が、とても愛おしかった。

ねぇ、

私なら貴女を傷つけたりなんかしないよ

病める時も、健やかなる時も
嵐の日も晴れの日も

ずっと一緒に見て聞いて感じて笑って泣いて怒って

貴女がいたから私に色ができた

泣き疲れて眠るあの子の唇にそっと、最初で最後の口づけを落とした。

友達でもいい、貴女の一番にしてください。
それが私の願い。
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