僕ら出会ってはいけなかったのかな。
君を傷つけて捨てること、最初からわかっていた気がするんだ。なのに涙がとまらなくて僕は空にしがみついてばかり。
酷いって罵ってくれて構わないからその肌の温度を忘れさせてください。
また始まる、メリーゴーラウンドと夢の中、ぐるぐると目を回して世界は止まる。
誰かを壊しちゃいたい夜に自分を傷めつけて「優しくなりたい」なんてほざいて、嫌気がさすね。私は汚れきった夏みたいなものだわ。
夏が終われば年をとることも忘れて、大切にしていた紙切れの気持ちも忘れるでしょう。いいえ、忘れてあげましょう。
会いたい人は思い浮かべてもいなかった彼でした。
色は褪せて二度と煌めかないと知っていたから彼に会いたくなった。
切れた唇も疲れた髪もどうでもいい。もう傷つかなくていいよ。
夢から覚めた。そこでは死体が転がっていて、魔女は紫色の空を飛んでいて、シェイラは泣いていた。
その両目はもう見えてはいなかったけれどシェイラには全てがわかっていた。ピンクゴールドの刺青と愛の跡、輪郭を持たずに離れていく彼の残像、心臓から伸びた管の行き先。
「何もかも過去になっていくの。」そういうとシェイラは目を閉じて眠りにつく。長い一日の終わりはここには来ない。シェイラには全てがわかっていた。