高い回転率を取り戻した、烈月と流奈による掃討戦は続くが暴徒の数は一向に減らず流奈のガトリングですら長い時間、撃ちすぎて銃身が真っ赤になり陽炎が立ち上る。
流奈『キリがない…ハジメ、後退しろ、これ以上は無理だ。』
流奈は、白熱化したガトリングを止め暴徒に向かって投げ捨て巨大なそれは当たると同時に、ジーっと焼けた音を立てた!
流奈『ちっ!もう使い物にならん…ハジメ、早く退けガトリングが死んだ、支援は出来ん…。』
流奈の指示に烈月は、装甲車の近くまで手早く後退するといきなり、Sencoの二階の窓からレインが何か叫んで手を振っている。
レイン『ハジメちゃん、ルナ姉…そこから逃げて〜すぐにそこへ、ピンポイント爆撃が始まるわ〜!』
いきなりの事態である、戦っている部隊からほど近い距離に破壊力のある爆弾を航空機が落としにくるのだ…しかも、Bー29爆撃機のような大きな爆撃機が空からピンポイントで爆弾を落とせる物なのかと…烈月は内心、複雑だった。
ふとした時だった…。
流奈が暴徒の集団に向かって2、3個ほど発煙手榴弾を投げ込むとブシュゥと音を発てて緑色の煙りが発つ…。
それを見た後、烈月の襟元をつかんで装甲車の上に引っ張り上げる。
流奈『ストライカーに…乗れ!入れ!中に居ろ!さっさとしろデカブツ!』
さっさとしろと言われるがままに烈月は、装甲車をよじ登り上部乗降ドアを開いて飛び込んだ!
装甲車の中には男女二人が切迫した事態の外とはうらはらにずいぶんとのんびりとしていた。
烈月『てめぇら…何、のんびりしてんだよ外がどんな状況かわかってんのかよ!』
烈月は、のんびりとしている連中に怒声混じりに話すと男が笑いながら答えた。
男『いやいや…わかっているからこうしてんだ、ルナ姉ぇがいるからこうしてんだ…ルナ姉ぇがこうしてろって言ったからそうしてんだ。』
男が答えるとゴーグルを付けた女の子がうなずいて笑い、烈月は呆れて何も言えなかった。
しばらくして、ジェット機の飛ぶ音が大きくなりつつあるのが装甲車に振動となり伝わって来るのが分かると音が最大になった瞬間、凄まじい爆発音が連発して響く。
男『おぉ〜おぅ、随分と派手にぶち込んでるんじゃね〜か、コレ?』
男は手に缶ジュースを持ちながら天井を見上げると揺れるキーホルダーを見て笑った
ゴーグル女『相当派手にお怒りってとこ?』
ゴーグル女はポテチをもしゃもしゃ食べながら男に聞くと男は首を横に振り笑いながらに答える
男『ラン、お怒りって訳じゃ無いが、Aー10攻撃機よろしく地上をめちゃくちゃに荒らしてるじゃないか…。』
男は身振り手振りを交えて話すとゴーグル女ことランは笑ったが頭の上には未だにジェット機のエンジン音が滞空して響いてるのにランが気付く。
ラン『ハリアー…みたい…ロケット弾搭載のハリアー…ユウキ…そんなの有った?』
ユウキと言われた男は、少し顔をしかめて考えてみたがロケット弾搭載のハリアー戦闘機を見たことが無いと答えて再びしかめっ面で深く考える、しかし、しびれを切らした烈月は、装甲車の上部乗降ドアを押し上げてエンジン音がする方向を見ると言葉を失った…。
烈月『オイ、ユウキ、ラン…米陸軍の最新型AGのM9ランドールだ…しかも重対地仕様!!』
声かけると装甲車に乗っている全員が全員、同じように上部乗降ドアから顔を覗かせジェットエンジンの音方向を見るとアメリカ陸軍の部隊マーキングの施されたアーマーギアが陽炎を纏いながら立っていた。
ラン『…重武装過ぎる…ロケットランチャーが…ひーふーみぃ…。』
ランが数えても間違いなくロケットランチャーは8門積んでいるのが分かる…。
基本、AGにロケットランチャーが積んであるのは、対地攻撃機と相場は決まるが少なく見ても一門、多く見て二門までだが、このAGランドールには過剰と言わんばかりにロケットランチャーが装着されていて明らかにこの暴徒、道路もろとも吹き飛ばすように組まれていた。
烈月は、爆撃を凌ぎ悠然と立っている、流奈にAGの操縦主は誰かを問うが…流奈ですら分からないと答えたが巴が二階の窓から顔を覗かせてAGに声をかける
巴『レイジ!遅い!大事な人命が一つ失ったのよ!』
大きな声がまわりに響き渡りAGが窓の方向振り向く
レイジ『何やて!?何時や!誰や!?』
AGからレイジの声が聞こえ音声からもう一人の声が聞こえるどうやら泣いているようだ
巴はAGの弾数が有る限り陣地防衛をレイジに任せてその、火器管制補正を泣いている奴に頼むと総員の撤退準備の指示をだす。
巴『ラン!子ぎつねのメンバーは地下の艦船停泊ドッグへ、機材の搬出と搬入を二班でする…ここから撤退する…常連さんたちのご家族の救出を出航後に始める…。』
巴の指示で全員がこの場所から脱出するための行動が一斉に始まる、食料や武器、弾薬を取り出して地下へ運び出した…。