ケータイをしゅうりにだすのと、メモリのこしのためぴくしぶにあげたのをこちらにも
ミタアヤ
幸福な時間
こんな、幸せな時間は自分の人生では体験する事はないと思っていた。
その幸せに気づけるきっかけは、
原稿の締め切りの日が一週間に、迫ってきた時に…おきた。
ピピピ!!ピピピ!ピーー!
三田(…この、着信音は…!!)
締め切りが近い時は、鬼神の如く自分の世界に没頭しなくては、ならないのでマナーモードにしているが……ただ一人だけ、この修羅場でも音を設定している人物がいた。
その人物は、千本アヤトである。
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from 千本 アヤト
こんにちは!(^^!)
ー本文ーーー
三田さんのお仕事が、そろそろ終わる頃かなって、思ってメールしちゃいました(*^^*!)
あ、もしまだ、修羅場中だったらごめんなさい!!
2日くらい休みとれそうなので…一週間後くらいに、三田さんのお家にお泊まりしてもいいですか!?
今回は、トウノ君が海外へ行ってしまったので、俺一人だけなんですけど…。
大丈夫でしょうか?♪ヽ(´▽`)/
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千本さんが…一人で泊まりにくる……。
自然に胸がドキドキと高鳴るのを感じる。
千本アキトと言う人物は、れっきとした男性だが、私は彼に友情意外の気持ちを少なからずもっている。
千本さんと、いっぱい過ごせる…そう考えただけで…温かくなる反面。
千本アヤトと言う人物を一人締めできる…あの幼なじみ二人よりも…という暗い優越感にひたる。
そして、いったい自分は、なにを考えてるんだ…!!と我にかえり。メールを返さなければ!とメールを打ち返すのであった。
それからの、私は鬼神を通りこして、修羅の如く原稿を書き上げた。
予定は一週間だったが5日の朝イチで終わらせた。
担当「…はい…。確かにいただきました!!」
三田「今回は早くおわらせました…。いつもギリギリですみません。」
担当「いえいえ、締め切り守ってくれてこちらとしても、毎回たすかってます。それにしても、三田さんかわりましたね。」
三田「…?変わったとは…ああ!部屋のことですね。確かに物が増えましたね…。」
本棚・27の男がもつにはメルヘンチックな食器・御菓子・ボードゲームやらカードゲームまで、
担当「いやいや、それもありますけど……」
担当がいった言葉に、私はドキリとした。
いや、三田さんの書く原稿が、あのなんというか、表現が優しくなったというか…柔らかい感じになってる、事が一番びっくりしました。恋でもしてるんですか?
そこらへんから、今度はラブストーリーなんてどうですか…!!と担当がいってたような気がするが…。そこからの意識は朦朧としていた。
私も少しずつ変わっていってるのですね…きっといい方向に…脳裏に、ふわふわとしたアホ毛がたった青い髪の少年が浮かんだところで目が覚めた。
どうやら、一日中寝ていたらしい…やはり2日早めに原稿を上げていてよかったと、ほっと息を吐いた。
千本さんとの時間を寝て過ごしてしまうなんてもったいなさすぎる。
そうだ…風呂に入ったら、千本さんが好きそうな食べものをかいにいこう。
いつも千本さんが面白い御菓子見つけたので買ってきちゃいました!!
とニコニコしながら、冷蔵庫にいれてくれるのがあたりまえになってしまって申し訳ないと思ったからだ……。
私も千本さんを驚かせてやりたいと密かな、野望もあった。
三田(さて……街まで、出てきたのはいいですけど…。千本さんの好きなものってなんでしょう………?やっぱり奇抜な食べ物とかでしょうか…)
そうだった…自分はいつも、千本さんから、与えられてばかりで…千本さんの事を全く知らない事に気がついた。好きな物・好き色・好きな食べ物・何にも知らない。
三田(本当に自分が嫌になりますね…。)
と硝子窓をみると、ケーキ屋があった。
ふわふわとした御菓子から、きれいな御菓子までいっぱい並んであるウィンドウを眺めていたら、千本さんの顔が浮かんだ
三田(千本さんなら…このウィンドウを見たらきっと、子どものようにきらきらさせるんでしようね…。)
千本(わぁー三田さんみて下さい!凄いきれいですよー俺甘いもの好きなんです。)
…と脳内でそんな千本さんが再生された…25歳の男性だが…千本アヤトと言う人物だと、妙にケーキなど似合うような気がした。案外どんくさい彼の事だから、ケーキを食べる際は、ぽろぽろこぼしてるかもしれない。