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イラスト中心の駄ブログです。 腐向けの記事などもあるので閲覧に注意して下さい。
人間の寿命は妖怪からしたら短く、云ってしまえば一瞬の出来事といっても相違ない。
それでも惹かれあえば種族が違えどもずっと傍に居続けたい。できるならば互いの体が朽ち果てるまで
それが叶わぬならどちらかが朽ちるまでと願う者が多いことだろう
だが藤盛時緒という男は違っていた
「別れよう」
「….は?」
任務の帰り道、いつものように二人で連携しつつ悪さをしていた妖怪の退治を終え陰陽寮へ向かっていた時のことだった。暁天は契約者である藤盛時緒の発言に“?”マークを浮かべながらその言葉の意味を問いただそうと肩を掴んだ。
「なぁ それどういう「許嫁がいる」
肩を掴む手に思わず力が入る。契約をし、これまで一緒に生活をし、任務にも当たってきたがそんな話を聞いたことも女性の気配などありもしなかった
なにより暁天と時緒は恋仲で時緒にいたっては幼少の頃から想い焦がれ、陰陽寮で再会し契約の後にそれが知れ、恋仲になった。それなのに突然、許嫁がいる。などという話を信じられる訳もなかった。
「なんだよ……そんな嘘ついてよ。俺…引っかかったりしねぇぞ?」
「嘘じゃない。私には許嫁がいて今度婚約をする」
肩を掴む手を払うと時緒は普段見せないような笑顔で暁天に微笑みかけた。
「いままでありがとう。私の我儘にも付き合ってくれた 暁天はとても良くしてくれた…感謝している」
「そんなっ、見え透いた嘘は止めろ….俺はお前を愛してる!許嫁なんている訳!」
「私は愛してない」
続きは追記に!
※創作系が苦手という方はご注意ください!
地位とか名誉とかどうでもいいと思っている。
上にいる人物が仕えるに値するか、守るに値するかどうかだ。
俺は今の王は守るに値もしない 王としても未熟だと言い残して軍を去った。
「ギル・シュタイナー」
「おぉ 堅物のアーゼットちゃんじゃねぇの。こんなところに来るなんて珍しいなぁ」
イシュヴァル国内でも人通りの少ない裏路地で青い髪の大柄の男と茶髪に顔の左側に大きな火傷の痕がある男が一目を避けて話している。
今は革新派として軍役に就いていたが軍を去り、各国を旅しているギル・シュタイナーに軍を退役した保守派貴族のジル・アーゼットだ。もし軍や貴族の者に二人が一緒にいるのを見られれば騒動にもなりかねないが二人は気の知れた友人であり実際保守派、革新派など気にしたことなどない
「お前、王に暴言を吐いたそうだな….」
「はっ なんだあのガキ泣きでもしたか?」
「…….」
アーゼットの無言にギルは口を紡ぎ、バツが悪そうに頭をかく
「俺は思ったこと言ったまでだ。あんなガキに王が務まるかよ…..革新派の奴らに隙を与えるだけだぞ」
「…..革新派軍人の言うこととは思えんな」
「元、な。まぁ あのガキを王の座につかせたのはてめぇの策略だろうがガキをあんなとこにほっぽったてめぇを見損なったがな」
「見損なう、か。逃げ出したお前に言われたくないな」
空気がピリピリと張り詰め、二人の間に不穏な雰囲気が流れる。気の知れた友人ではあるが二人は別の思想を掲げている。
ギルは革新派として軍に服役していたがその実、国よりも人を生かすために働いてきた。変化や国を変えることで貧困や格差がなくなると信じ、生きてきた。
うって変わり、アーゼットは保守派として国を王を守るためにと生きてきた。国のためならば全てを犠牲にしてもいいとすら言う男。革新派としては甘く保守派として過激な二人にはどうしても理解できず又分かり合えない事が多い。
前王が逝去し、年端もいかぬ少年が王位に就いたことでその溝は深まり、ギルは軍を退役。アーゼットは王を支えるためにと元々貴族である家に戻ったのだ
「まぁ いいさ。俺は滅多なことがない限りここには戻らない。その間、言うこと聞く良い王でも作ればいい……じゃあな」
「待て、ギル!」
アーゼットの声はギルに届くことはなく、一人の男がまた旅に出た。
※追記に続きます。