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近いほど遠い(REBORN!:スパナ)※ゆいち様リク


ずっと側にいるのが当たり前。

でも「恋人」じゃない。

昔からだから…まぁ…



「幼馴染み」というやつだ。


中々厄介なレッテルだと思う。
ウチにとっては…それだけじゃないから。









『…スーパナっ!』


…気が付くと視界はなぜか桃色。そして、あんたの声。

状況を整理してみる。



いつも通り作業室でモスカの調整をしてた。
…集中してたんだ。

『スパナ?聞こえてる?』

再び現実に戻される。

「うん。聞こえた。」

ウチはかけてたゴーグルを額の上にずらし振り返る。

あんたは仁王立ちでウチを見つめていた。

『また閉じ籠ってモスカ?研究熱心なのはいいけど、たまには外出ないと体に悪いよ。』

「…桜…の…花びら?」

ウチは頭から見事に大量の花びらをかぶっていた。

『綺麗でしょ〜♪桜はもう満開だよ。息抜きに一緒にお花見しない?』

あんたは満面の笑顔でそう言った。

桜の花びらをかき集めてわざわざウチのところに持ってきたのを想像すると胸の奥がぽぅっと温かくなる。

愛しさが込み上げるとはきっとこういうことなんだろう。

「…部屋片付けないと…。」

『そんなのあとでいいって。ね、行こスパナ?』

こうなるとあんたは引かない。
あとでウチが片付けるはめになるんだろうけど。

「…わかった。でもちょっと待って。モスカも一緒に…」

『スパナは…!私とモスカ、どっちが大事なの!?』


ずずぃっとあんたは顔を近づける。近い。


「……………。」


『……………。』



「……………。」



『ちょ…!?そんなに悩むこと!?』

「……モ『わーわー!聞こえなーい!』

わざと声を出して耳を塞ぐ。

「……あんた。」

『でしょ?さっ行こ!』

満面の笑顔でウチを見る。

最初からウチに選択肢はないじゃないか。そんな文句を飲み込めてしまうほど、ウチはアンタに敵わないと実感して軽く微笑む。





花びらが舞う桜並木の中、2人で歩く。

もともと桜は好きだけど、あんたと一緒だとまた格別だ。

『綺麗だね〜。いつか素敵な恋人とこの道歩きたいよ。』

「…ふーん。」

あんたは呆れた顔をウチに向ける。

『ふーんって…そうだね〜とか同意してくれないのー?』

「別に。」

恋人ではないけどウチは好きな人と今歩いてるし。

『もう…スパナは。モスカとばっか遊んで、その内私にカッコいい彼氏ができたら一人になっちゃうんだからね!』

「…ウチが先に恋人できたらどうするの?」

『えー!それはないでしょ。』

「何気にひどいこと言ってる。」

『ごめんごめん。そうだなぁ…もし…スパナが先に恋人ができたとしても…今みたいに私も構ってね?寂しいもん。』

また自分勝手なこと言ってる。
でも…。

「うん。そんなの当たり前。」

そう言って微笑むとあんたも嬉しそうに笑った。


答えは決まってる。
ウチにとっては意味のない例え話。

あんたへの気持ちを胸にしまって、あんたと一緒に笑うんだ。



いつか…伝えてもよい時期が来ると信じて。








END。








――――――――――――

お待たせしましたー!ゆいちさん(*^^*)
大変遅くなりました!片想いスパナです。
切ないのにしようか、希望のあるのにしようか迷ったのですが、これは一番大変な状況だょ頑張れスパナ!な内容になってしまいました(^-^;悪く言えば中途半端…( ̄▽ ̄;)お気に召さなければ書き直しますので遠慮せず言ってくださいねー!(汗)

幼なじみとかはまさに惚れた方が負け状態になりますよね…。なにかキッカケがないと進展するのは中々難しいかと。

私は全国の片想いしてる方達全員を応援します!←


スパナは何となく好きな子にも露骨に好きなんだ!みたいな表現はしない気がしました。あ、今回の小説のイメージは、なんですけど。
また書いたら違うスパナになるかもしれませんね(笑)

お花見ネタは、春にネタ出ししたからです(^-^;季節外れすみません。そのまま仕上げました。

何はともあれ、楽しく書かせていただきました!
ゆいちさん、リクありがとうございました♪

安らぎのほとり(薄桜鬼:近藤、沖田、土方)


屯所内の掃除が一通り終わり、一息つこうと広間にいた。
ぼんやりお茶をすすっていると、ふすまが開いた。

「や!君か。」

『近藤さん、こんにちは。』

「あぁ。」

近藤勇さん。
私が住まわせてもらってるここは新選組の屯所。
この方はその新選組の局長です。
とっても偉い方なのに御本人は優しくておおらかで親切な人なんですよ。

『近藤さんも休憩ですか?今お茶淹れますね。』

「ありがとう。実はまだ職務が残ってるんだが…お言葉に甘えるとしよう!」

私も近藤さんも微笑み合う。


「どうだ、もうここには慣れたかい?」

『はい。』

「君には雑用ばかりやらせてしまってすまないね。」

『いえ、お世話になっている以上、何か皆さんのお役に立ちたいですから。』

「そうか、君は本当に良い子だな。充分皆の助けになってるよ。」

近藤さんは屈託のない笑顔を私に向けてくれる。

『近藤さんにそう言ってもらえると、すごく嬉しいです…!』


近藤さんは私が淹れたお茶を口に運んだ。

「うん、うまい。こんな風にのんびりできる時間とは大事なものだな。」

『そうですね。』

新選組局長とあれば、私が想像もできないくらい大変なお仕事なのだろう。
だから、こういう時くらい近藤さんにはゆっくりしてほしいと心の底から思う。

「隣には君のような可愛いおなごがいるし、言うことなしだ。君は気が利くし、きっと良い嫁になるな!」

『え…!そっそうですか!?』

なんて言ったらいいかわからなくて、でも少し嬉しくて頬が赤くなる。

近藤さんはうんうんと頷いていた。

「近藤さん、何彼女にセクハラしてるんですか?」

ふすまの外から声がして沖田さんがニヤニヤした表情で入ってきた。

彼は新選組一番組組長、沖田総司さん。

「む!セクハラなどしとらんぞ総司!」

「じゃ、口説いてたんですか?」

「な…!?」

近藤さんは予想外の言葉にひどく動揺したみたい。もちろんそんな気はさらさらなかったと思う。

「あはは!冗談ですよ近藤さん。すみません、そんなこと思ってませんって。」

『もう…沖田さん…。』

私は思わず呆れてしまった。

「珍しい2人が話してるみたいだったから、どうやって登場したら邪魔者だと思われず仲間に入れてくれるかなーと思って。」

それが今の冗談を言うことだったんですか…。

「何を言う!いつだって大歓迎だぞ?」

「ありがとうございます。」

沖田さんは嬉しそうに微笑む。
この沖田さんの素直な笑顔はあまり見たことがない。沖田さんは近藤さんのこと大好きなんだなぁって思う。

『あ、私沖田さんのお茶も淹れますね。』

「うん、よろしくね。」




「むぅ…。」

『どうしたんですか?近藤さん。』

「いやな、さっきはつい嫁などと言ってしまったのだが、俺は君のこと実は娘のように思ってるよ。だから、何かあれば力になりたい。遠慮しないでなんでも言ってくれたまえ。」

『近藤さん…。』

近藤さんの優しさに胸の奥が温かくなるのを感じた。

「いいなー君。それってすごく羨ましいんだけど。」

そのやり取りを見ていた沖田さんは言う。

「総司も俺にとって大事な存在だ。」

慈愛に満ちた眼差しで沖田さんを見つめる近藤さん。
沖田さんはびっくりしたように目を見開き、頬をかいた。

「…面と向かって言われると照れちゃうなぁ。」

私はそんな優しい光景に頬を緩ませた。


「何笑ってるの?君?」

『へっ…あ…いや…。』

照れ隠しにも見える沖田さんの怖い視線に少し焦ってしまった。

「…こうして見ると、君と総司はお似合いかもしれんなぁ。」

『!?…えぇっ!?』

突然突拍子なことを言う近藤さん。

思わず沖田さんをチラ見すると笑顔で私を見た。
その瞬間、頬に熱を帯びたのを感じる。

「……だってさ。僕と婚姻でもしちゃう?」

『こっ…こん…!?』

「総司ーーっ!!ここにいやがったか!」

突然ふすまが勢いよく開くと、鬼副長こと、新選組副長土方歳三さんが怒鳴り込んできた。

「おぉ、トシ。」

「げ…土方さん。」

二人の正反対な反応。


「総司!大事な用件があるから時間通りに俺の部屋に来いって言っただろうが!!」

「あれー?もうそんな時間ですか。」

迫力ある土方さんの声にひるまない沖田さんは…すごい。

「忘れてた訳じゃないんですよ、ただ気付いたら時間が過ぎてただけで。」

「同じことだろうがっ!!いいからさっさと来い!」

そう言って土方さんは沖田さんを掴み連れて行く。

部屋を出る直前、沖田さんは私を見た。

「さっきのことは冗談なんだから、本気にしないでよね。」

「…しっしませんっ!!」

私は一気に頭に血が昇る感覚を覚え、声を振り絞った。
いつもからかわれたり、いじわるばっかり。

沖田さんはそんな私を見てクスクスと笑い、土方さんと一緒に部屋を出ていった。

嵐が去った。


「急に静かになったなぁ。」

近藤さんの笑い声でふと我に返った。

『そ、そうですね。』

「…総司はああ見えて根は良い奴なんだ。これからも仲良くしてやってくれ。」

『は、はぁ…。』

近藤さんと目が合うと近藤さんは私のおでこを指でつついた。

「眉間にシワ。いかんぞ。君はいつでも笑っててほしい。それが俺の…局長としての命令だ。」

『…はい!』



近藤さんの笑顔につられて、私も笑顔になった。



優しい時の流れ。

束の間の安らぎ。






END。






――――――――――――

PSPの随想録では近藤さんとのシナリオもあってめちゃめちゃはしゃいだ私です(笑)
近藤さん大好き(*^^*)
攻略対象になって欲しかったけど、ゲームで主人公のことを「娘のように思ってる」って言ってて、そうかぁ…みたいな(笑)

うん、いいと思う…←

沖田さんが近藤さんに対してとてつもなく可愛い!
近藤さん大好きな沖田さんが大好き。
この二人、和みます(*^^*)

あ、セクハラって言葉この時代無いですよね…?その辺は深く考えないであげてください(^-^;

書いててとても楽しかったです。

次はリクエストを仕上げなければ!ゆいちさん待っててください〜(>_<)

読んでくれてありがとうございました!!

月見(薄桜鬼:沖田総司)


「今日は満月か…。」

闇の空に浮かぶ、月。その光はあたりを照らし出す。

それは当たり前のことで。

人を斬って、殺して、それを繰り返す汚れた僕の生活もまた当たり前なのに。
「近藤さんのために」。その思いだけが僕を動かす。後悔なんてしてないし、誇りも持ってる。それが僕のすべてなんだ。

…でも、夜空を見上げるとその決意を咎めるかのように、月は僕を見てるから。
綺麗すぎて、無性にうっとおしい。






「…隠れてないで、出てきたら?」

僕は少し前から人の気配を感じていた。

『あ…!ごめんなさい!なにか考え事をしてるように見えたので話かけづらくて…。』

横目でちらりと見ると、申し訳なさそうにオロオロしている女の子がいた。

僕は一瞬ふっと笑って君に振り返った。

「どうしたの、こんな時間に?もしかして、眠れないとか?」

『あ…はい、目が覚めてしまって夜風にでも当たろうかと。』

いつもと変わらない様子の僕に安心したのか、君は柔らかな微笑みを浮かべる。

「じゃあ、僕と同じだね。折角だし君もこっちおいでよ。」

『…はい!』

僕の隣にちょこんと座る君。
最近は君の行動にいちいち目が行ってそれを見て微笑んでる僕もいる。
君は見てて面白い子だから。


沈黙が、2人を包む。


君を誘ってみたものの、特に話さなくちゃいけない話題があるわけでもなく。ただの気まぐれなんだよね。

今どんな顔をしているか、君を観察しようと視線を向けると、君は空を見上げ微笑んでいた。

「…最近、よく笑うようになったよね。」

僕がぽつりと呟いた独り言に、君は少しびっくりしてこちらを向く。

『そう…ですか?』

「うん。最初の頃なんていつも浮かない顔してたし、なんだか怯えてたみたいだったから。」

『そ…それは…その…新選組の皆さんの噂が…その…』

言いたいことは何となくわかるけど、僕を気遣ってか中々はっきり言わない君。

「そりゃ人斬り集団の屯所にいきなり監禁されたら、誰だって怖いよね」

僕は笑いながら話す。

『す、すみません…。』

今思うと、僕だって最初は君によく「斬る」とか「殺す」って言って怖がらせてたかもね。
…まぁそれは今でも言うけどさ。

『でも、新選組の皆さんはとても親切な方達ばかりばかりでした』

きっと今までの思い出を振り返っているのだろうと、君の楽しそうな笑顔から想像ができる。





『…今日は月が綺麗ですね。』

「ん?そうだね…。」

『沖田さん達に初めて会った日も月が綺麗な夜でした。』

「そうだったかな?」

…なんてホントは覚えてる。なにか面白いことが起こりそうな夜。君に…出会った夜だった。

『こんな日はお団子でも食べながらお月見したいです。』

「くっ…はっはははっ。」

『えぇ!?なっなんで笑うんですか沖田さん!?』

「いや、食い意地張ってるなぁって思って。」

僕は真面目なことばかり考えてたって言うのに、ホント君って子は…。

笑いを堪えながらそう言うと、君はみるみる顔を真っ赤にしていく。

『!そんなつもりじゃ…!もう…沖田さん…!』

拗ねる君がとても可愛くて思わず君の髪を撫でた。

『あ…。』

そうすると更に顔を赤くして俯いておとなしくなってしまう。

僕は君の顔を覗き込むように近付いた。

「どうしたのかな、顔が赤いけど、風邪でも引いた?」

『かっ…風邪じゃないです!』

視線を背けたまま君は言う。
ホント、可愛いなぁ。

あんまりからかうのも可哀想だし、この辺にしといてあげようかな。

僕は気分を良くして微笑みながら立ち上がった。

「お団子、探してこようか?土方さんのが残ってるかもしれない。」

『えっでも…』

「大丈夫、土方さんに怒られても僕が守ってあげるから。」

そう言って笑うと、君も笑った。

その笑顔は月明かりに照らされて、とても綺麗だった。

ずっと見ていたい。

君はなぜか僕に安らぎをくれる。

いつの間にか僕の中で君の存在が大きくなってるのを感じる瞬間。君の存在の意味が変わる瞬間。


あの満ちる月みたいに君にも僕を見守ってて欲しい。…贅沢な願いが芽生えそうな…不思議な夜。


僕は…疲れてただけなのかもしれない。ただ月明かりの優しさに八つ当たりをしていただけなのかもしれない。


もう一度夜空を見上げる。


夜の闇は月の明かりだけが頼り。




僕の側には君がいる。







END。







――――――――――――

お久しぶりです!

先日やっとPSPの薄桜鬼と随想録の沖田さんを攻略しました!ずいぶん前に買ったのですがなんだかもったいなくてできなかったんですよね(^-^;

ゲームをプレイして、前より沖田さんのことを理解したつもりです!!
胸を張って沖田さんが好きだと言えます!

そして書きかけで止まってたネタを更新。いかがだったでしょうか?
伝えたいこと、文章にするのは難しいですね。


読んでくれてありがとうございました!

心のぬくもりを知った日(REBORN!:雲雀恭弥)



『雲雀さんが、好きです。』



こんな僕に、そんな言葉をくれた君に興味が湧いた。

どうせすぐに離れていくんだ。

そう、僕は自分勝手で冷たい人間だ。



今もこうして君を試してる。




「…仕事の邪魔だよ、出ていってくれないかな?」

応接室、風紀委員の仕事を片付けてるところに君が扉をノックして入ってきた。

『あ…何かお手伝いできることがあればと思って。』

僕の言葉を慣れたように気にしてない様子だ。彼女は柔らかな微笑みを浮かべながら言った。

「今は…何もないよ。」

『では、恭弥さんのお側にいさせてください。邪魔にはならないようにしますから。』

僕は何も言わない。

それは肯定の意味だと君はもうわかっているらしい。

楽しそうに側のソファに座る。

おとなしそうに見えて、僕のことを恐がらない。

僕はいつも疑問に思う。

「…どうして君は僕のことを好きだなんて言えるんだい?」

応接室の静寂を破ったのは僕だった。

『また…その質問ですか?』

くすくすと笑う君。

初めてじゃない。君の言う通りだ。

わからないんだ。

君はなぜ僕なんかを好きになったんだ?

僕が何かしたのか?

どうしてそこまで一途でいられるんだろう。

僕のどこがいいのか。


『人を好きになることに、理由なんてないと思うんです。私は、恭弥さんが好きです。それだけなんですよ。』



君がそう答える度に胸の中に得られる温かさと安らぎ。

初めはまっすぐぶつけられる想いに少し戸惑ったりもしたけど、今はこんなに心地よい。



何度も聞いてしまうのは、僕が不安だから…?

君の変わらない答えに安心したいから…?


…本当に気まぐれで、そんな失礼な気持ちで君をそばに置いていたのに。


いつの間にか、心を強く奪われたのは…僕の方だ。


『…恭弥さん?』

目頭が熱くなるのを必死に抑えた。なにも言わなくなった僕を心配した君。

「…僕は優しくないよ。」

独りが好きだ。他人に優しくする術なんて知らない。

『…優しいですよ。こんな私と一緒にいてくださるんですから。』

微笑む君を見た途端、頬に熱いものが流れた。

それは


懺悔の涙?


後悔の涙?



いや…簡単だ。




嬉しさの涙。





壊れないように、君を優しく抱き締めた。



人の温もりを知る。



僕はそっと君の頬に口づけをした。




大事にしたい。





守りたい。




僕を愛してくれる、




愛しい君を。











END。









――――――――――――

お久しぶりです。

震災が起きてから1ヶ月経ちますね。

先月は全然文章を更新することができませんでした。個人的にも色々悩んだ月でした。

心に余裕が無いと、文章も書けなくなることがよくわかりました。

でも、ここは私にとって現実逃避の場なので更新できないと自分を追い詰めたくもないと思ったんです。

書きたいときに書く。

それが一番だと思うので。
とりあえず、戻ってこれましたょ、二次元に(笑)

更新はマイペースになりますが、またよろしくお願いします(*^^*)

夢に向かって!(REBORN!:獄寺隼人)


いつもバカみたいに元気で、笑顔1つで周りの奴らを明るくさせちまうようなお前なのに。


今日はらしくねぇぜ。


お前のそんな顔、見たくねぇんだよ。




センコーに呼び出されて、用件が終わり教室に戻った。

オレンジの夕焼けが教室を照らす中、お前は窓の外を眺めながら物憂げな顔をしてたんだ。
その横顔に一瞬見とれちまったが、すぐ我に返った。

『あ…獄寺くん。』

「よ、よう…。」

『また先生に呼び出されてたんでしょ?』

「まあな、ったく…毎回いちいちめんどくせー。」


クスクスと軽く笑うお前。

それを横目で見て俺は挨拶もそこそこに自分の机に向かい、鞄の中身を整理する…ふり。
そんなことしなくたってすぐに帰れるんだけどな。

一瞬見えたお前の顔…泣いてたみたいだ。

…気の利いたことでも言ってやれればいいんだけどな。

「……なんかあったのかよ?」

お前は一瞬驚いた顔をして、すぐ視線を下に向けた。

そこには進路調査書。

『進路のことで…ちょっと悩んでて。』

「そんなもん適当に書いときゃいいだろーが。」

『そういう訳には…!一応ちゃんと夢はあるの。でも実現できるかわからないし、堅実な道にいった方がいいのかなって…。でも…それも中々納得なんか出来なくて…。』


なるほどな…。

「俺がセンコーに呼び出された理由、進路のことなんだよ。」

『え…?』

俺の夢は【十代目の右腕】だ。マジな夢なのに、否定されんのは心外だぜ。ちゃんと高校も行くし、色々考えてんのによ。まぁ理解されるわけねぇし、気にしねぇけど。

「俺にも夢がある!誰がなんと言おうと、どんなに難しくても夢を叶えてみせるぜ!」

『獄寺くんは…凄いね…。』

お前の反応に肩をおとした。

「あのなぁ…お前の夢はお前にしか叶えられねぇんだよ!しかも、お前が頑張んねぇと叶うもんも叶わねぇ。」

俺は思わずお前に近寄った。お前と目が合ったからそのまま話す。

「初めから諦めんな!挑戦してみろよ!!」

折角見つけた夢なんだぜ。

振り返るな。捨てるなんて勿体ねぇことすんなよ。



「……なんて、関係ないのに余計なこと言って悪かったな。」

『…ううん、ありがとう。ちょっと元気出たかも…。頑張って…みようかな…!』

お前の表情は憑き物が剥がれたみたいに明るくなった。
俺でも少しは役に立てたのか。

「それなら良かったぜ!」

笑顔を向けてくれたから自然につられて俺もニカッと笑った。

『獄寺くんは強いね。』

「そっそうか!?まぁ…当然だ。強くなるのが俺の夢でもあるしな。」

俺は帰るぜ、そう言って鞄を持つ。

おっと…そうだ。

「おい!頑張ってるとよ、立ち止まったり、怖くなったりもするんじゃねぇか?」

お前は俺の顔を見て首を少し傾げているようだった。

そんなお前を…可愛い、なんて思っちまった自分もどうかしてる。


「挫けそうになって前を向けなくなった時はよ、とりあえず俺の方だけ見とけ!」

言い終わって、急に照れくさくて、赤くなった顔を隠すように俺は教室をあとにした。




お前が俺を強い奴だと信じてくれるなら、お前が迷った時にも俺は夢に向かってるぜ。

そうやってお前の道しるべになるからよ。



真っ直ぐ俺だけ見てろ。




激しい嵐も、味方にしてやろうぜ!












END。










――――――――――――

正チャンに続き、励ましシリーズの獄寺くんverです。

獄寺くんのキャラソンって夢を応援する爽やかで元気の出る曲多いですよね!
いくつか歌詞を引用させていただきました。獄寺くん…惚れてしまいますょ(*^^*)

そんなイメージ。

読んでくれてありがとうございました!
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