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死神

誰もが目に見えない存在に恐怖を覚え、また、興味を示す年頃になったある日。

学校でこっくりさんや怪談話を楽しんだ帰り道。

一人いつものように秘密の通路や、民家の隙間をちょっと抜けてみたりして帰路についていると、

同級生の家の隣の家の玄関先に、黒いフード付きのこれまた見るからに死神のイメージにピッタリなモノが座り込んでいた。

小学生だった私は、内心「死神かよっw」と横目でそう思いながら通り過ぎた。

それから何日かして、またその道を通ると、その家の玄関の軒下には黄色い忌中の簾が下がってた。

・・・もしかしたら、本当に死神だったのかも知れない。

遺伝的な?


息子も小さな頃からヘンなものを見る子だった。

当時、住んでいたボロいアパートの風呂場に居る酒好きなオジサン。

寝室の窓から顔を出す血だらけのオバサン。

ふわふわと部屋の中を漂う白いモノ。

こっちへおいで、と息子を誘う鬼。

階段に佇む女の人。

そして、私が何処からか連れ帰るモノ達。

消せない過去

27歳の時、自分の腕を切った。

痛みも何も感じなかった。

私には、失うものが無かったから・・・

息子を別れた旦那に連れて行かれた。

結局は勤務先である病院の医師に18針縫って貰った。

29歳の時、首を吊った。

意識が遠のいていった矢先、偶然訪ねてきた友人のお兄さんに助けられた。


友人に言われた。
「アンタが死んだら、息子が一生背負うんだよ?」

・・・二度としない。

そう誓った。

生きているのか、死んでるのか判らない様な年月を過ごした。

骨と皮だけの容姿で、必死に働いた。

息子を取り戻すために。

眠れない夜と、大量の薬に支えられながら。

そして何よりも、周りには叱咤激励してくれる友人等がいたから。

二度と、「向こう側の手」を取ろうとは思わない。

だって、今、私は息子と共に生きている。

家族の居ない自分が、家族を持つとき

22歳の時、結婚した。

23歳になった2日後、私は私の血と肉を持つ初めての家族を・・息子を産んだ。

何にも変えがたい存在。

この子の為ならどんな事でも出来るし、この子の為なら私は迷い無く死ねる。

私が欲しかった「家族」が、夢にまでみた「家族団らん」が出来る・・。

そう思った。

・・・でも、結婚生活は1年で破綻。

家庭よりも仕事と自分の家族を優先、私と息子はお飾りに過ぎなかった。

3年後、離婚。

息子は離さなかった。

二人での新しい生活。初めての夜。

膝を抱え、泣いていた私に、息子が「これからは笑えるね?」と、一言。

この子だけは必ず幸せにしよう。

私が幼い頃に求めても手に入らなかった幸せをこの子に・・・

もう、私にはこの子しかいない。

もう、二人だけなのだから。




見た瞬間


十代の頃、当時付き合っていた彼の家で、久しぶり地元に帰省していた彼の友人が彼女を紹介すると言ってやって来た。


部屋に入って来た瞬間、久々に見た彼の友人(面識有り)
私が感じたのは、この人、命危ないんじゃないか?って事だった。
見た感覚、吸い取られてる感覚って云うか‥。
何とも言えない感覚だった。


その後に続いて、彼女さんが入って来たんだけど。
凄く嫌な気分になってしまった。
彼女さんを見ることが出来ない。
目を合わすのがとてつもなく嫌で、話題を彼の友人に振った。


「‥何か‥大丈夫なの?身体悪いとか、何か無かった?危なそうだけど‥」


何気なく発した言葉だったんだけど。
彼の友人は驚いた表情をしながら、話してくれた。
実は、彼女さんは蛇憑きらしく、写真を撮る度に何かしらが写り込んでしまう。気持ち悪くて御祓いに行ったらそう言われ、終いには貴方(彼の友人)をその蛇が呑み込もうとしている、別れないと今に命を落とす。と言われたらしい。


その時に、相変わらず目を合わすのが出来ないままだけど、彼女さんと直接話してみたら、彼女さんが私に憑いているモノを見事当てた。


立場的に、私に憑いているモノよりも彼女さんの蛇の方が自然界では有利な生き物。
私が彼女さんと目を合わすのが嫌なのも、その場にいた誰もが納得した出来事だった。
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