話題:気になること



スゴいですねぇ。

何がですか?

コンビニのおにぎりです。

何だかんだでもう十年以上、毎年美味しくなり続けているような気がします。『×××のおにぎりが更に美味しくなりました!』。そんなテレビCMのコピーはもはや時代の定型文と言って良いぐらいです。コンビニのおにぎり。通称コニぎり。いったい君は何処まで美味しくなれば気が済むのでしょうか。逆に言えば、十年前のコニぎりはどれほど美味しくなかったのか。十年前のコニぎりの味、いくら記憶を紐解いてみてもあまりにも漠然としていて全く思い出せません。シャリと海苔が心持ちベタッとしていたようなそうでもないような……。いや、これ以上無理に思い出そうとすると『そもそも昔はコンビニ自体なかったからね』という爺むさい回想話になりそうなのでやめておきましょう。

それにつけても、おにぎりというのは一体どれだけ“伸びしろ”のある食べ物なのだろう、と思ってしまう訳なのです。こんな調子で美味しくなり続けて行ったらば、百年後には我々の想像を絶するような味形になっているかも知れません。例えば、鮭のおにぎり。ご飯は炊きたてを好みの固さで握る事の出来るよう茶碗によそられた形で、具の鮭も贅沢に切り身を丸ごと一つその場で焼いたものが出され、加えて味噌汁とお新香、更にハッピーセット的に《鮭を獲る木彫りの熊の置物》なんかも付いたりして……あ、これは単なる“焼き鮭定食”ですね。いずれにしても、コンビニのおにぎりはこれから先も確実に進化し美味しくなり続けて行く事でしょう。

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スゴいですねぇ。

何がですか?

冷凍食品の炒飯です。

これもコンビニのおにぎりに負けじ劣らじと毎年“炒め感がUPし続けている”ような気がします。逆に言えば十年前はどれだけ炒め感がなかったのか、と。そもそも“炒め感”という言葉自体が面白い。あくまでも炒められている“感じ”。つまりは錯覚、幻影、幻想。そして、もしもこんな調子で炒め感がUPし続けて行ったなら、十年後にはもう炒められ過ぎてしまい、炒飯の原形すら留めていない真っ黒焦げの炭と化しているのではなかろうか、と思わず心配してしまう訳なのです。何にしても、冷凍食品の炒飯の炒め感はこれから先もUPし続けて行く事でしょう。

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スゴいですねぇ。

何がですか?

ハンバーグやウィンナー、肉まん等の挽き肉を使った食品です。

事ある毎に“ジューシーさがUP”しているような気がします。逆に言えば、十年前はどれだけパサパサして乾いていたのだ、と。この調子でジューシーさが増し続けて行けば、十年後には完全な“ジュース”になっていてもおかしくありません。「シャウ〇ッセンがついにドリンクになりました!」。コクがあり過ぎてむしろ酷。いくら“たくましく育って欲しい”と言えども丸大ハ〇バーグがそのままジュースになるのは、さすがに、わんぱくが過ぎると言わざるを得ません。それでも、やはり、これらの肉汁重視系食品は完全なジュースになるまで、そのジューシーさをUPし続けて行く事でしょう。


**おまけ・香りの小袋**

香りの小袋【ン】


各パートの冒頭の一行『スゴいですねぇ』に香りの小袋【ン】を混ぜ入れ『スンゴいですねぇ』にしますと“所ジョージさん風味”でお楽しみ頂けますのでお試し下さいませ。