話題:おいおい、まじかよ…


無理数と呼ばれ、小数点以下が無限に続くと思われていた円周率であるが、それまでの算出方法に誤りがあり、実は簡単に割り切れていた事が明かになった。

埼玉県ネブラスカ州で円周率専門ショップを営むアマチュア円周率愛好家・丸井円(まるいまどか)氏(31・4才)が、スーパーコンピューター《京》の31415倍の演算能力を持つと言われるスーパー算盤《京唄子》を用い改めて計算し直したところ、円周率は“3・838”で打ち止めとなる事が判った。

衝撃の一報に対し、旧円周率の計算を小数点以下2億桁まで済ませていた円周率の世界的権威であるマルグリット・マルティネス教授(通称マルちゃん先生)は、これまでの苦労が水の泡になってしまった事に対し、

「小数点以下が無限に続く円周率。ゴールテープのないマラソンを延々と走り続けるような…底のない深海に永遠に沈み続けてゆくような…そんな空恐ろさが大好きだったので、円周率が割り切れてしまった事に割り切れない思いです」

と、バウムクーヘンを器用にも内側から食べながら語った。

一方、オカルト円周率派の代表であり『真の円周率は0・314で間違いない!多分』の著書で知られるマルカイ・テチョン氏は、今回の発見に関して、

「やっぱりね。円周の長さが直径の長さより短くなるのはおかしいと薄々思っていた」

自説が間違っていた事を認めると同時に、

「“3838”だけに、不思議とサバサバした気分です」

と、鯖寿司(つゆだく)に舌鼓を打ちながら語った。


また、文部科学省は今回の発見を受け、小学校の授業における円周率の数字を3から4へ、中学以上で使用される円周率記号をπからアップルπへ変更する事を検討中であると発表した。


【終】