話題:妄想を語ろう


新設された大統領警護班、その名も【お洒落SP】は、大統領の警護は勿論、それ以上に各自がお洒落である事を重要視している。

これは、そんな栄えある【お洒落SP】のメンバーであるジョージとメアリーの仕事を終えた後のBARでの呟きである。


ジョージ「確かにお洒落ではあるのだが…」

メアリー「…そうね」

ジョージ「流石に守備範囲が狭すぎる気がする……防弾ネクタイでは」

大統領お洒落SP班では、かさ張る防弾ベストはお洒落ではないとの理由で着用禁止となっていた。お洒落SP班は常にボディラインを美しく見せる必要があるのだ。

メアリー「でも…男性はまだ良い方よ。女性なんてね…」

ジョージ「ん?」

メアリー「何処を守備しているのか判らないもの……防弾イヤリングなんて」

防弾靴下、防弾つけ睫毛、防弾ネックレス、防弾コンタクトレンズ、かさ張らないものは概ね防弾仕様となっている。しかし、衣服に関しては何よりも先ず通気性を第一にデザインされていた。汗臭いのはお洒落では無いからだ。

ジョージ「警護とお洒落の両立は難しいね…」

メアリー「…そうね」

ジョージ「あ、そう言えば…冬に向けて近い内に新しい防弾アイテムが支給されるみたいだよ」

メアリー「へぇ、何なの?」

ジョージ「…防弾風邪薬」

二人は、今年の冬だけは絶対に風邪を引かないよう、心の中で固く誓うのだった…。


〜おしまい〜。