話題:暗い詩

悲しみも躊躇いも戸惑いも、全てはたった一行の物語。

現代を生きる悲しい大人の為の自由律一行悲しみ現代ポエム。


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1992年のランバダクイーンのトロフィーがゴミ置き場の片隅で最後のダンスを踊っている冬の朝。





衣替えで出した冬物のコートのポケットに入っていた、出し忘れた去年の年賀状を懐かしく読み、黙って破り棄てる。





急に姿を見せなくなった爺さんがいつも打っていた52番台に“故障中”の札を貼り、無事の戻りを待ち続けている、常連ばかりの小さな町のパチンコ屋。






試着室の“実際よりも痩せて見える鏡”に嘘と知りつつ慰められてみる。







右膝のお皿を自ら指先でさわさわとくすぐって、笑って、虚しくなって、泣きそうになり、左膝のお皿にスイッチして、またくすぐって笑って、また少し楽しい気持ちに戻る…一人の時間だから出来る事。





赤いのじゃなくて白い方をお願いしますと云ったら「畏まりました、ボンゴレ・ロッソではなくボンゴレ・ビアンコですね」と冷たい目のギャルソンに云い返されたイタリアンレストランの午後。







当たり前のように玄関の鍵穴に車のキーを差し込もうとしている自分をちょっとだけ愛おしく思えたマヤ暦最後の夜。





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人生とは、帯には短くタスキには長い、たった一行にして唯一無二のオリジナルポエムである。


By ワーノルド・シュアルツェネッガー(詩人。シュワちゃんとは別人)。