話題:SS


『それでは、この最新型ウソ発見器【EMMA】を使った取り調べの流れを説明しましょう。但し、当たり前ですがメカニズムに関する事柄について説明する事は出来ません。宜しいですね?』

『うむ』町村が頷く。

『それは当然でしょう』容疑者も同意する。

『けっこうです。なに、説明と云っても難しい事は全くありません。お二人には普通に会話をして頂くだけですから。会話の内容に関しては基本的には町村さんにお任せしますが、場合によっては私が口を挟む可能性もあります。ここまでは宜しいですね?』

『判った』

『ええ』

『説明を続けます。センサー波の領域内で交わされた会話は全て一語一句逃さず【EMMA】が自動的に拾い上げ、文字としてリアルタイムでモニターに映し出される事になります』

機械に疎い町村ではあるが、此処までは何となく理解出来る。ただ、一語一句逃さずに音声をリアルタイムで文字に変換する処理速度の速さには流石に驚いていた。心なしか容疑者の顔が少し険しくなっているように見える。

『それでですね…通常、モニターに表示される文字…拾った音声会話をセリフとして書き起こしたた物ですね…は、白色文字となるのですが、【EMMA】が“ウソ”と判断した部分に限っては、文字の色が赤色となります。後は、その“赤色文字”が含まれている部分を更に会話で細かく突き詰めて行けば、真相に辿り着けると…まあ、そういうシステムです』

『なるほど…消去法ですか』

容疑者が云う。

『そういう事になりますね』

答える仁来の視線と容疑者の視線は、青い火花を冷たく散らしながら真っ向から対峙している…。




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