話題:連載創作小説
「お金なら、出来る限り用意します」
(なんだ、判ってるじゃない。うん、こういう具合に話がテンポ良く進むのは良い事だ)
誘拐犯の口ぶりは、人質の所有という強みのせいで余裕綽々であった。
「それで…私たちはどうすれば?」
相手の嘲るような口調を無視するかのように、佐智子が話を進める。
(そうだな‥取り敢えず、明日の朝までに現金で五千万円用意して貰おうか)
「五千万!!」
佐智子は思わず提示された数字をオウム返しに叫んでいた。
「そんな、無理ですっ!うちは普通のサラリーマンで、いきなり五千万なんて言われても、どうやって用意すればいいのか…」
佐智子が示した、ほとんど狼狽に近い困惑は実に正当な感情であった。水嶋家は、ごく一般的なサラリーマンの中流家庭で、とてもではないが、五千万などという大金を一晩で右から左へ動かせるような身分ではない。
ところが、犯人の口から発せられた次の言葉は、佐智子に更なる困惑をもたらせた。
(実家に頼めばいいだろ?)
「えっ?」
(坊主が言ってたぞ。アンタの親、資産家なんだって?)
「博之が?」
(ああ。豪邸の写真も見せて貰ったし、セレブ大集合みたいなパーティーの写真も見たよ)
《続きは追記に》。
「そんな…それ、何かの間違いです!」
佐智子の言葉に嘘はない。彼女の父親は地方の公立中学の教師で、母親は自宅で小さな公文式の塾をやっている。衣食住に困った事はないが、お世辞にも金持ちとは言えななかった。
しかし、佐智子のそんな心情など全く取り合う様子のない犯人は、逆に呆れたような口調で言った。
(あらあら、酷い親だね。可愛い息子の命より身代金を値切る方が大事ってわけ?…やっぱり、それぐらい金に汚くないと金持ちにはなれないって事なのかな)
「違います!そうじゃ無いんです!本当に何の事か判らないんです!」
電話の向こうで、溜め息を吐く音が聴こえる。犯人は完全に何か思い違いをしているようだ。
(あのさ‥悪いけど、俺、気が短い方だからハッキリ言うよ。五千万を諦めるか、博之くんを諦めるか‥選択肢は二つだ。どちらを選ぶかは判り切ってるけどな。じゃ、三時間後にまた電話するから、それまでに旦那さんとよく話し合って決めるように。それから、判ってるとは思うけど‥警察には絶対言わないように)
「あっ、ちょっと待って!」
しかし、すがるような佐智子の言葉も虚しく、電話は無情にもそこで切られてしまった。
少しクラクラする頭を手で抑えながら立ち上がった佐智子は、庭に面している窓を開けた。息の詰まるような重苦しい部屋の空気を何とかしたかったのだ。
開け放たれた窓の外、小さな庭は、その面積に不釣り合いなぐらい“多種多様な植物たち”で埋められていた。
隣家の二階のベランダには、忙しく洗濯物を取り込んでいる最中の奥さんの姿があった。目が合うと、彼女は佐智子に向かって笑顔で手を振りながら言った。
「こんにちは〜!なんだかちょっと曇って来たわね!」
それに対して佐智子は、作り笑顔で手を振ると何も言わずに再び、窓とカーテンを閉めた。
事情を知らない隣家の奥さんは、その態度を怪訝に思ったかも知れない。しかし、佐智子は出来れば誰とも話したくない、いや、顔を合わせる事すら避けたい気分だったのだ。
たった今、“息子の誘拐”を知ったばかりなのだから、無理もない。
佐智子は肩で大きく息を一つ吐くと、誰に言う訳でもなくポソリと口を開いた。
「隆博さんに電話しなきゃ…」
佐智子は夫の会社へダイヤルすべく、再び電話機に向かって歩き始めた…。
―――――――
【3】へ続く。
言われて見れば確かに
おメメのルナちゃんと会長の孫娘イメージ的に通ずるものがあるというか、根っ子は同じだという気がする
梶井氏のいうみたいにゴシックロリータなイメージで 西洋の少女人形に感じる怖さがあるよね
シリアス場面の脳天気キャラ 或る意味、非常に大切な存在だ
てか、メキシカン ポップコーンっていいなあ〜 いや、実は最近 けっこうポップコーン食べたりするからさ
専門店のポップコーン…絶対 買いに行きますわ
水島家に…水色のハエ除け…たぶん無い
でも、あっても何ら不思議じゃ無いよね
北斗・土壇場擬人化拳の伝承者は 梶シロウ君 君なのだ
〇〇大集合
確かに昭和のお茶の間を想起させるよね
昔はこういうアバウトで総括的なタイトルたくさんあったんだけどなあ〜
ドリフにしても、全員集合に大爆笑だし
あと 歌謡ドッキリ大放送とか カックラキン大放送とか
でね〜
五千万 この辺りの金額設定はけっこう悩んだなあ 『とてもではないが、5千万などという大金を一晩で右から左へと動かせる身分ではない。』の台詞も色んな書き方あるし…
リアル&ストイックな雰囲気をキープしながら話を進めて行きたいと思って書いたから、そう言って貰えるのは有り難い
多種多様な植物たちもラストの辺りで意味が判ると思うんだけど…
二度目 三度目 読む方の経験や成長によって新たな印象が加わるような物語にしたいと云う気持ちが強くあって書いたから、そこも本当に嬉しく思う
続く。
アカンどうしても8時だョ全員集合゙を思い出してしまって‥〇〇大集合って昔のバラエティではよく聞いた言葉だけど今ではあまり聞かないような‥
5千万はリアル!!
1億は高過ぎだし‥3千万は大それた犯罪のにはちょっと少ないような気がするから
田舎でロ-ン無しで大きめの家一戸買えるもんな〜
とてもではないが、5千万などという大金を一晩で右から左へと動かせる身分ではない。
おお〜この文章、ストイックで渇いた感じがすげ-かっけぇよなあ〜(b^▽゚)b事も無げにすらすらと書くのがニクいねえ〜!!ヽ(≧∇≦)ノ゙
“多種多様な植物たち”
自分は敢えて一回しか読まなくて記憶が曖昧になってからもう一度読もうと思った一粒で2度3度楽しめそうな気がしたからo(^o^)o
でこの言葉は二度目読む時は全然違った印象を受ける‥
でも確か庭にお墓をいっぱいつくってあったような気が‥会長のお孫さんってどこかルナちゃんを彷彿とさせる‥
日本人なんだけど西洋のイメ-ジが‥どこかゴシック・ロリ-タが持つ怖さと退廃的な美しさも併せ持っている印象を受けたり‥
「こんにちは〜!なんだかちょっと曇ってきたわね!\(^o^)/」
いるいる!!こ-ゆ-主人公がシリアスに陥ってる時に陽気に声をかけてくるキャラ
【何ッ‥!?俺の張った結界が何者かに破られただと‥!!】
「よ〜、駅前に新しくポップコ-ン専門店ができたらし-ぜメキシカン・ポップコ-ンが目玉だってさ今日行かね〜か」
「すまん、俺今日早退するわ」
「‥んだよ、ノリわりぃ〜な〜」
みたいな(何故か厨二設定)
あっ
今突然ひらめいたんだけどいつの日か食卓にのせる青のハエよけカバ-()がラッキ-アイテムに登場する予感
水島家には無いんだろうなあ〜
大雨が降ったり大量の人間が緑化されていく中、青いハエよけカバ-は水島家の食卓をひっそりと守っていたのであった‥
みたいな♪土壇場の擬人化(様)ってホント、おもしろいなあ〜
その予想は…
恐らく的中する事でしょう
いやいや…
一応、下書き程度の粗筋は ほぼ書き上がっているのですけど…ちょっと急展させ過ぎてしまったかも
このまま通常の推理小説とか社会派サスペンスにした方が良かったような気もチラホラ……でも、幾つか伏線的なワードを打ってしまったので方向転換は無理です
今回はちょっとサビ抜きならぬギャグ抜きで行かせて貰おうと思ってます(笑)
…ギャグを言わないよう堪えるのが大変
オチが見えない〜
これから2日…
いゃいゃ…
多分毎度の事で
完結編とか最終章とか…
もう一話加わる事は予想されるので
後3日我慢しないといけないのねぇ
ここまでにギャグ無し
余談ですがシリもアスもある意味同じ