話題:連載創作小説
それは、いつもと変らわぬ水曜の午後四時の事だった。
夕食の準備に取り掛かろうと、水島佐智子がキッチンへ入ったところで部屋の電話が鳴った。
佐智子は冷蔵庫の扉に伸ばしかけた手を慌てて引っ込めると、キッチンから少し離れた電話台で着メロを鳴らしながらピカピカと点滅を繰り返す親機の受話器を外した。
「はい、水島です」
このぐらいの時刻に電話が掛かって来るのは珍しくない。この時も佐智子は“どうせまたセールスだろう”というぐらいの軽い気持ちで電話に出たのだった。
ところが、その僅か数秒後。佐智子の表情は一変していた。見る見るうちに顔は蒼ざめ、受話器を握る手も汗ばみ始めている。
少しの沈黙があってのち、佐智子は受話器に向って震えるような声で言った。
「‥も、もう一度言って下さいっ」
微妙な間を置いて、相手が答える。
(‥お宅の博之くんを預かってる。言ってる意味、判るよね?)
その言葉の意味するところは単純にして明快…即ち誘拐である。如何に動揺しているとはいえ、それぐらいの事は直ぐに判る。
佐智子は全身に張り巡らされた神経の全てを、受話器に当てた左耳の一点に集中させた。
電話の低く籠もった声から判断すると声の主は男のようだが、ボイスチェンジャーを通している事は明らかだったので、実際のところ、掛けて来たのが男なのか女なのか軽率に判断する事は出来ないだろう。
が、例え、掛けて来たのが誰であろうと今ここで起こっている事自体に変わりはない。
誘拐…
(おい‥聞いてるのか!?)
「は、はい!聞いてます!ちゃんと聞いてます!」
(ならいい。で、念のため確認しとくけど‥博之くんはお宅のお子さんで間違いないよな?)
間違いはなかった。
水島博之は佐智子と、その夫である隆博の一人息子で、年齢は六歳、小学校の一年生である。
「はい!間違いないですっ!」
確かに、この時間、いつもなら博之は家に帰っている。その事は佐智子も気にはなっていた。しかし、最近、クラスに仲の良いお友だちが出来たと言っていたので、大方、学校帰りに寄り道でもしているのだろうと、佐智子はタカをくくっていたのだった。
(まあ、そう興奮しないで‥って言っても無理か。まあ、兎に角だ、もう少し小さな声で話してくれないかな?いちいち電話口で叫ばれたんじゃ、五月蝿くて仕方ない)
〜続きは追記に〜。
そうなのさ
こういう細かい設定って、直接表面に出る物では無いけど、話の雰囲気とかイメージを裏から支える大切な要素だと思うからけっこう気を使ったりする
それだけに、こうしてしっかり読んで貰えるのは苦労が報われた気がしてありがたいなあ〜
立ち上がりの雰囲気ってやっぱり大切だし、ふと気が緩んでいるところにジワジワと異物が侵入してくる…そういう感じで行きたかったから、まあ何とか成功したのでは無いかと
ボイスチェンジャーは確かに声の仮面と言えるかも知れない
あ、今度は仮面考を主体にした話を書いてみるのも面白いかも…と今思った
いやいや、梶井氏は色々と思考の幅を広げてくれる貴重な存在です
水島佐智子
水で植物は育まれる‥だから火曜日だったり金島佐智子だったりするとイメ-ジがまた違ってくるんだろうなあ‥
水曜日の午後4時は週の真ん中で‥午後4時は1日の家事もあらかた終えてでも夕食を買いに行くにはちょっぴり早い時間帯で‥主婦のリラックスタイム
そんな気の緩んだ時にピカピカと点滅をするお焼き‥いや親機遮断機や信号の点滅のような‥急き立てられ【ナニカ】が起こりそうなシグナル‥
ボイスチェンジャ-がまた怖い!!人間で言えば仮面を被っているようなもので‥男?女?年齢は?外国人?‥正体がわからない
それで乱暴な口調の方が実は怖くないんだよなあ‥だけど、落ち着いた口調ひとをからかう余裕‥知性を感じさせる上にタチが悪いコイツは一筋縄ではいかないな‥ってカンジがする
自分のたいせつなこが得体の知れないものの手中に堕ちている恐怖‥ではなく自分のたいせつなこが人様に危害を加えるかもしれない恐怖‥なんだよなあ‥
比べる必要性は全くないんだけど‥後者の方が辛い気がする‥
Aに行こうっと
長編読了サンクス
で…打ち間違え発見!
【久しぶり】→【今日もまた】
心の中で修正しといた
そこなんだよねぇ〜
《新緑の世代》が全員じゃなくて まだらに混じって来てるところ
密かに忍び寄ってくる感じが 静かな恐怖感をもたらすよね
で…アフターストーリー
なんか 幻魔対戦みたいになりそうだ
あ、因みに
「ママ、パパ。じゃあ、そろそろ終わらせて家に帰るね」
違うよ〜〜ん
ほら…
自然→地球→ガイア→母性
…って流れだから、新緑の世代は当然「ママ、パパ」とママが先にくるって寸法なのさ
長編打ち込みお疲れさまでした
あえて、最初のお話に書かせてもらいますね
【久しぶりに】やっぱりさすがだなぁと【思いました】(爆)
私たちが知らないだけで、本当にありそうなお話しで、ちょっとニュアンスは違いますが、ふと、伊武○刀さんの「子ども達を○めないで」を思い出しましたこの歌個人的には大好きなんですけど
全ての子ども達が『新緑の世代』ではなく、子ども達の能力もひとつではないところも、また魅力的でしたね他にはどんな能力をもった子どもがいるのかしら?また、今は子供しか居ないけど大人になっても能力は残ったままなのか…とかこの子たちの10年20年後がちょっと、気になりますo(^-^)o(ワスレタコロニゾクヘンヲ(笑))
最後の方で博之が「ママ、パパ。じゃあ、そろそろ終わらせて家に帰るね」という場面。
ママが先か…そっかぁ。。。トキさまって『マザコン』なんだぁって…なぜか降りてきました(笑)そう、『博之が』ではなくムフフまぁ、男の子はお母さんの方が大切っていうから、それも止むなしかな〜って(笑)
いやいや、【いろいろと】楽しませてもらったお話でした
あ、正確には推理小説ではないのだけれども…広義の意味でいうミステリーには分類されるかも知れません。
色々なタイプの話を書いていきたいと考えているので、そう言って貰えるのは非常に有り難いです
娘さんの言葉も合わせて、こちらこそありがとう
ニックネーム大正解です
そして…
果たして、ちゃんと夕飯は作られるのか…
メニューにイカの姿焼きはあるのか…
乞うご期待
推理小説が始まる
のですね(*^o^*)
トキノさんは
いろんなお話を
書いてくれるので
読者はずいぶんラッキーです(*^o^*)
トキノさんのように
こころが伸び縮み
できてワクワクを
いっぱいできたら
いつも元気でいられる
のでしょうね(^w^)
娘に髪の色と
こころの明るさの
話をしたら
やさしいひとじゃね
ってうれしそうでした
(*^o^*)
そんなふうに言われたり
思ってもらうことが
なかった娘ですもの
ありがとうね
トキノさん
ピロキの運命やいかに?
姿焼きはイカに?
小数点は以下に
少なくともニックネームは間違いない(笑)