話題:バレンタイン★2012


皆様ご存知のように、一口に《バレンタインデイ》と云っても、そこには様々なテイストが存在します。

甘酸っぱい青春のバレンタインデイ。トレンディーな恋人達のバレンタインデイ。ちょっとほろ苦い大人のバレンタインデイ。

しかし、そのような《お洒落系のドラマ》になりそうな話ではなく、もっと数奇な物語は無いのだろうかと幅広く呼びかけたところ、何とも興味深い“バレンタインデイにまつわるエピソード”が届きましたので、本日はその中から厳選した2通の御便りを紹介したいと思います…。


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【第1の手紙】

浅沼弥兵衛(71歳♂)。

コンニチハ。風変わりなバレンタインデイのエピソードという事なので御便りさせて頂きます。

あれは、そう…私が17歳の時ですから、だいぶ古い話になるのですが…正直それほどモテなかった私が、どういう訳だか、その年、同じ高校に通う或る女子学生に熱烈に惚れられてしまいまして…当然、バレンタインデイにチョコレートを渡されたのですが…

それがまあ、とんでもない代物で…

あ、その女子学生は何でも親が貿易会社の社長らしく、今で言う…何でしたっけ?…デフレ系?…あちゃっ!違った!…そうそう、セレブ系と云うやつで、想像を絶するようなお金持ちだったのです。

そんな子からチョコレートを貰うのですから、私としてはもう、内心おっかなびっくりしながらバレンタインデイを迎えたのでした。

ところが、当日彼女から手渡されたのはチョコレートでは無く、何やら変な書類の束だったのです。

はてさて、これはいったい…?

すると、狐につままれた様な顔の私に、彼女はサラリと長い髪をかきあげながら云ったのです。

わたくし、ミスター弥兵衛のショコラットの好みが判らないから、今日はこれをあげるわ。

見ると、その書類は、ベネズエラの広大なカカオ農園の土地ならびに一切の経営に関する権利書でした。

これで、ミスター弥兵衛の好みのショコラットを好きなだけ作ってくださいね。

なんとまあ!私は、カカオ農園を丸ごとプレゼントされてしまったのです!

後にも先にも、あれ以上に豪華なバレンタインデイはありません。


早いもので、それから54年…


現在私は、そのカカオ農園で“ひとりの小作人”として、元気いっぱい、カカオ豆を摘むなどして働いております。( ~っ~)/


そうです。私は経営に失敗したのです。

因みに、そのセレブ系の彼女は、翌年、まるで何事もなかったかのようにモナコに引っ越してしまいました。

ちょっと自慢出来るバレンタインデイの話かなあ〜と思い、今回、御便りさせて頂きました。

私のスペシャルエピソード、如何でしょうか?

PS.

私の…いや、昔は私のものだったカカオ農園、子供の頃のラミレス(現・横浜ベイスターズ)がよく遊びに来てたんですよ〜。…もしかしたら同名の別人かも知れませんが。


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第2のエピソードは追記ページに。