話題:夜景

誰かの瞳が夜をとらえれば、映し出された瞳の夜を見知らぬ誰かが、そっと覗き込んできます。

憂いと安堵の小さな螺旋は瞳の奥へと静かに沈んでゆきました。

昨日と明日の小さな螺旋も瞳の奥へと音もなくゆっくり沈んでゆきました。

貴方と私の影だけが、2つの瞳の水面で螺旋を描く事もなく、いつまでも漂うように揺れています。


“夜が深まる”とは、こういうものなのでしょう。

“想いに耽る”とは、そういうことなのでしょう。 

そして

今夜も誰かの瞳の中を名前もない小さな星が、静かに流れてゆきました‥。


◆追記にプチこぼれ話