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「検問の事」
〇〇月××日
【水曜日】
(曇り、時々、カバディの掛け声)
お昼すぎ。車で国道を走っていると突然渋滞につかまった。この時間帯、この道が渋滞する事はまず無い。事故でもあったのだろうか。幾分心配しながら車をノロノロと進めていると、梅雨曇りにも一際目をひく橙色の棒――誘導棒と言うのだろうか――を振る警察官たちの姿が見えた。その後ろには数台のパトカーの姿。どうやら検問をやっているようだ。
「お急ぎのところスミマセンね」
順番の回って来た運転席の私に屈み腰の警察官が笑顔で声を掛けてくる。屈強そうな体躯、いかつい顔、貼り付いた作り笑顔が逆に恐ろしい。とは言え、物腰は柔らかい。警察官の態度も昔から見たらだいぶマイルドになったものだ。
「随分と物々しい感じですけど何かあったんですか?」私が訊ねる。
「いえいえ、何もありませんよ。オリンピックが近いので念のためです」
オリンピックは一年以上先の話。今から検問などやる訳がない。
「ところで、こちらは社用車ですかね?」警察官がさりげなく話題をそらす。検問の理由について触れられたくないのだろう。
「はい、そうです。営業車です」さすが警察官、鋭い観察眼だ。と言いたい所だが、車体のサイドに社名ロゴとスシを握りながら走るニンジャの絵が入っているのでそんな事は直ぐに解る。
「えーと、申し訳ないんですけど、トランクの中だけ確認させて貰って宜しいですか?」
「判りました。どうぞ」言われるまま私はトランクを開けた。車の後部に回った警察官はトランクの中を確認し、再び戻って来て言った。
「ありがとうございました。あと、一応念の為、後部座席だけ確認させて貰って宜しいですか?」
「ええ、構いませんよ」パワーウィンドウでは無いので振り向きながら上体だけのけぞらせ手動でギーコギーコ窓を下ろす。警察官が中を覗き込む。
「はい。確認させて頂きました。ありがとうございます」
「いえいえ。じゃ、もう行っても良いですかね?」
「大丈夫です。あ、その前に一応、免許証だけ確認させて貰って宜しいですか?」
免許証“だけ”。さっきから、トランク“だけ”、後部座席“だけ”、と“だけ”を連発しているが、言葉の使い方としてこれはどうなのだろう……と思ったが、口には出さない。機嫌を損ねて公務執行妨害か何かで無理やり逮捕されては堪らないからだ。
「勿論です。どうぞ」模範的な市民のよう爽やかな態度で懐から免許証を出して渡した。「では拝見します」
免許証の写真と私の顔を交互に何度か見比べた後、警察官は言った。
「えーと、写真の方は眼鏡かけてますけど……“運転時は眼鏡必須”ですよね」
そう。私は微妙に眼が悪く、普段の生活は裸眼で問題ないのだが、運転する時には眼鏡が必要なのだ。
「はい、そうです」
「そうしたら、今はコンタクトレンズですか?」
「いえ、裸眼です」
警察官の顔が曇る。
「それはマズいですね」
「そうですか?特に問題無いと思いますけど」
「いや、問題あるでしょう。直ぐに眼鏡掛けて下さい。お持ちですよね?」
「いえ、それが実は、会社に置き忘れて来ちゃったみたいで……」
「なるほど、お持ちでは無いと」
警察官の顔が更に曇る。これ以上曇ったら恐らく雷雨になるだろう。良くない展開だ。
「普段、裸眼で生活してるのでよく忘れちゃうんですよね。でも、まあ、そこはちゃんと自覚しているので大丈夫です」
「いやいや、大丈夫では無いでしょう」
「それが大丈夫なのです。試しに顔だけ車内に突っ込んで、中から前方を見てみて下さい」
自信たっぷりの私に怪訝な表情を見せながらも警察官は私の指示に従い、車内、運転席から前方に視線を投げかけた。そして素頓狂(すっとんきょう)な声を上げた。
「あっ、こりは!」
「お解りになりました?」
「フロントガラスが……」
「そうです。車に乗る時いつも眼鏡忘れるので、これはマズいと思ってあらかじめ車のフロントガラスの方に“度”を入れておいたのです。因みに、他の窓も全て度付きです」
そうなのだ。これなら眼鏡を忘れても大丈夫。会社に無理を言って特注して貰ったのだ。度は私の視力に合わせてあるので、勿論、他の人間が運転する事は出来ない。
「大変失礼しました。それなら結構です。では、くれぐれもお気をつけて」
「ありがとうございます。で……」最後に駄目元でもう一度訊いてみた。「何かあったんですか?」。が、答えはやはり……
「いえ、何も無いんですよ〜。トランプ大統領が来日したりして、それでちょっと、って感じですかね」
それ、かなり前の事のような気がする。けれども、ここで食い下がっても意味は無い。私は一礼し、車を発進させたのだった。
【追記&注】(注)ネタなのでくれぐれも真に受けないように。最近、交通事故のニュースが目につきます。運転には本当に気をつけなければいけませんね。あと、自動運転走行車、これ、本当に一般化するのでしょうか。
〜おしまひ〜。
清原とマーティ、ある意味、夢のコラボレーションだ(笑)(//∇//)清原の警官、絶対逆らえない(笑)
そうそう、そんな事件あったね〜(汗)(゜ロ゜;前からけっこう書いたものと現実の事件がリンクする傾向あるのよ♪特に、書こうと思って途中で止めた話はかなりリンク率高い♪やっぱり、書く時って、集中し過ぎて瞑想状態になる時あるから、その辺が関係しているのだろうか?(☆o☆)
ディアゴスティーニ話法(笑)笑える♪本当にそういう感じで訊いてくる事多いよね♪特に自転車の防犯登録確認の時とか“世間話の小出し感”が凄いもの(笑)ヾ(*T▽T*)
で、星さん♪そうらしいね〜♪
確かにそうなのよ♪かなり荒唐無稽な出来事が起きたり、変な人物が登場したりするから、地面と言うか舞台はしっかりと基礎をかためておきたい、と言うのは割りと意識してる♪( ̄∇ ̄*)ゞその方が差異も生まれるし♪
考えてみれば眼鏡って不思議な存在だよね♪レンズに映った2次元の映像を3次元として見てるんだから♪(/▽\)♪ちなみに、書く時私もちょっとケントデリカットの事考えた(笑)
手回しハンドル、三角窓、吊り下げ式クーラー、いやあ〜、こうやって並べるとどれも魅力あるなあ〜♪( 〃▽〃)特に「吊り下げ式」って、言葉そのものがメチャ魅力的だわ(笑)♪どんな物でも言葉の前に「吊り下げ式」をつければ魅力増すと思うぞ♪(^_^)vあと、8トラックのばかデカいカーステ(カセット)も捨てがたい(笑)
ウルフルズのPV、多分見た事ある♪ウルフルズってブレイクする前からちょっと知ってて、知り合いのディレクター兼DJがウルフルズと仲良くて、当時はお金もないから機材の運搬とかも大変で、その知り合いが車貸してあげたりしてたのよ♪それがそんな立派なPVをつくるようになって…懐かしいなあ〜♪(*´∇`*)
あ、そうそう♪一粒万倍日♪貴重な情報ありがとう♪(〃⌒ー⌒〃)ゞ
この物語がUPされた時、神奈川?で警察の集団が容疑者を迎えに行ったけれど、容疑者に逃げられた…という事件があった☆TM様が創りだした世界と現実世界がリンクして、不思議な臨場感があった事を覚えている;*:.゜.:。+゜:.
あ、そうそう!!警察官ってこういう風にチョコチョコ話を引き出すよね!!Σ(゜ロ゜)ディアゴスティーニ話法☆★こないだの校長先生もそうだけどTM様はよく観察してるし、よく覚えているなぁ♪♪自分は流してしまうし、すぐに忘れてしまうからガチでスゴイと思う!!( v^-゜)♪
やっぱそういう風に現実を詳細に再現しているから、一見荒唐無稽に見える車が、物語の世界観に馴染んでいる☆★そういえば、星新一さんてエキセントリックなんじゃないかって思うけど、実際は常識人でとても礼儀正しい方らしい♪♪
グワァ〜!!その切り抜け方があったか!!( ☆∀☆)眼鏡の縁って、度の入った世界と裸眼の世界が混在しているから、見えづらいのよね☆★その点この車に乗ったら安泰ぢゃ♪♪by目玉親父 あと…四半世紀ぶりにケント・デリカットさんのこと思い出した(//∇//)
でました、手まわしハンドル!!なつかC〜高校生ぐらいまではそうだった(//∇//)スピードを出し過ぎるとコンコンコンコン!!警告音が鳴ったりした☆★手を動かした分だけ、窓が開く…そういう単純明快な仕組みが好きだ♪♪手回しハンドル、三角窓、吊り下げ式クーラーは三種の神器だもんね〜♪♪( v^-゜)♪
そういえばガッツだぜ≠フMVの冒頭におもしろいシーンがあったな☆★寡黙で武骨な足がペダルをこぐと、ライブ会場の電源が供給される…客席の個性豊かな面々も見所だぜ!!ちなみに幸せそうな顔でどんぶりかっこんでる人(漫☆画太郎先生の漫画に居そう)が好き(//∇//)
★★★しろのらさん♪
あ、懐かしい♪あのダークな雰囲気と少し切ないようなストーリー、けっこう好きでした♪(/▽\)♪
15年ぐらい前に再放送みたのが最後かなあ…いや、それリメイク版だったかな…ああ、記憶がボヤけてる(笑)(泣)┐('〜`;)┌
ジャズっぽい男声コーラスのオープニング曲もお気に入り♪(*´∇`*)…それにしても、ベムがコンビニに置かれる時代が来るとは(笑)(/▽\)♪
おぼろげにしか覚えてませんが
そんなに高くなかったので購入してみました
早く人間になりた〜い
★★★しろのらさん3♪
何だか、ちょっと怖い近未来の風景という感じ♪(゜ロ゜)
当然のように公共機関の全ては監視、統制されているのでしょう(汗)
その頃には重要な決定はみなAIが下すようになり……やがて人間は不要に(汗)(/▽\)♪
自動車メーカーは自分の首をしめるわけです
なんてつまらない世の中でしょう
誰も冒険をしないのです
★★★とある厨二。さん♪
そうなんだよね〜♪明らかに、反射神経と言うか反応速度落ちて来てるの判るもんね(汗)(/▽\)♪あと、今まで普通に通ってた所でほんのちょっとした段差につまずいてみたり♪自分で思ってるより足が上がってないって事だよね(泣)(笑)┐('〜`;)┌←典型的な年寄りのボヤき(笑)ヾ(*T▽T*)
自動運転も今の交通環境では怖いよね♪(汗)やっぱり、道路とか全体的な環境も整えないと♪(/▽\)♪横浜の自動運転の電車の逆走騒動もあったしね(汗)
高速道路なら使えそうって感じかね?
不用意に車の運転しなくなったなぁ。年を取ると自信がなくなるんだよね。
でも、年を取り過ぎるとなぜか自信満々になるらしいよ。
本当にフロントガラスに度が入っていたら……恐ろしくてとても運転出来ません♪(汗)三( ゜∀゜)
で、警察官の場合は、やっぱり、あの制服自体が威圧感があって怖いんでしょうね〜(汗)♪笑顔で来られると余計に怖さが引き立つと(笑)(/▽\)♪パトカーも、停まってるだけでけっこう圧力感じますから♪…まあ、そういう風に造ってるんでしょうけど(笑)
自動運転は……この前の鉄道事故の例もあるし、正直、けっこう危ない気がします♪(汗)(*_*)ただ、時代の流れからすれば徐々に浸透して行くのかなあ〜って(/▽\)♪
にしても、その追突!笑ってる場合じゃないですよねー(・┰・)間に小さな子供でも居たら大変な事になっていたかも知れないし、夢邪樹さんに対する態度も失礼極まる……こういう人は運転してはダメでしょう(汗)( ̄^ ̄)
★★★しろのらさん2♪
ああ〜、そういう話、なんかちょっと聞いた事あります♪(汗)(/▽\)♪
閉鎖社会だと、その中でだけ通用する規則とか論理とかありますからね〜♪外からみると怖い部分ありますよね(汗)(/▽\)♪
((((;゜Д゜)))
制服のかたが 物腰柔らかく笑顔でくると…嫌ぁ〜な気持ちになるのは 私だけでしょうか?
車が自動運転って本当に安全なのでしょうか?
私は自分の運転に自信がないので 体調や精神力が弱い時には運転しませんが…
先日 ある小学校の駐車場で用を済ませて学校から出てきましたら 私の車の真後ろに黒い車が停まってました。 運転手さんがおりた後 ゆっくり動きだし 私の車に当たり…
私の車 後ろにタイヤを積んでいるので そのタイヤがクッションになり バンパーに軽くあたりストップ!
運転手さん
「エヘ♪車が動いちゃいました♪」
キズもちょっとだけですし…
私は顔がひきつったままで 相手は立ち去りました!
運転は心の免許皆伝を持たない人は してはいけないのではないかしら?
(村八分状態)
★★★しろのらさん♪
それは最先端で尚且つお洒落な仕様ですねー♪(^з^)-☆
ちょっと甘いものが欲しくなった時は舐めればいいし、小腹が空いたら食べてもOK(^o^)v
真夏の暑さで少し溶けかかった状態の時は蝶とかトンボとかクワガタ、カブトムシ、色んな昆虫が寄ってきそうで楽しいし(笑)ヾ(*T▽T*)