月と夜鳩の黄色い詩編


話題:詩


微睡むような 月灯りの下で

詩を書いては いけません

月の光で

書いたそばから

文字が言葉が

溶け出して ゆくからです

前の一行を 無くしては

次の一行を 書く事は出来ません

前の一文字を 失えば

次の一文字は 生まれないのです

最初の文字が 最後の文字になって

それで おしまい

それでも無理に 書こうとすれば

月は

詩を書く貴方 そのものを

溶かしてしまう事でしょう

黄金色ににじむ 月の光の湖で

互いに溶け合う

貴方と 失われた言葉たち

例え ふたたび出逢えたとしても‥

それはもう

他の誰も読む事の 出来ない

孤独な一つの 黄色い詩篇です

もしも 自由とひきかえに

姿と形を 失う事に

少しでもためらいが あるのなら

微睡みの月灯りの下

決して 詩を書いてはいけません


これは‥

月夜の窓辺に迷いこんだ 一羽の夜鳩が

そっと教えてくれた

内緒内緒のお話です。


【終わり】

ナンセンスな詩の手帳。

話題:SS

手帳をね、二冊持ち歩いているのです。

一冊は、まあ普通の手帳です。仕事のスケジュールだとか会合の約束だとか、普段の予定を事務的にメモしておくやつ。

もう一冊は、詩の手帳です。照れくさいのでさらっと言いましたけど、はい、詩です。そうです、英語で言うところのポエム。恥ずかしさが倍増するので何度も聞き返さないで下さい(笑)。ふとした瞬間、頭に浮かんだ詩のようなものを、忘れないように書き留めておく。そういう手帳です。

これ、私の勝手な考えなのですけど、人が頭に思い浮かべる(た)事柄って、概ね四つに分けられると思うのです。性格的な大別という意味で。

@言葉にして誰かに向けて話すのに適しているもの。

A文字にして紙面に書き記すのに適しているもの。

Bそのどちらにも当てはまらないもの。

Cそのどちらにも当てはまるもの。

何だか大雑把な分類ですけど、大体そんな感じです。詩の手帳は当然Aのケースになるのですけど、紙面に当たるものが手帳で、書かれる内容が詩のようなものである事が多いと。

いえいえ、詩人ではありません。思い浮かぶのが、あくまでも“たまたま”詩であるというだけの話で。趣味とも言えないような、ほんのお遊び、独りぼっちの座興です。

ただ、時々それで少々困った事になる場合がありまして――と言うのも、恐らく私の筆圧が弱いせいだと思うのですが――書いた詩を何処かに落としてしまうのです。ええ、手帳の紙頁から詩が、つまり文字が落ちてしまう…。

スルッと落ちたのか、カサッと落ちたのか、ポトリと落ちたのか、はたまた音もなく落ちたのか、それは判りません。でも、気がついたら書き留めて置いた筈の詩が手帳の中の何処にも見当たらない、そういう事があるのです。けっこう簡単に落ちますよ、文字って。

もっと強くペンを押し当ててしっかり書き込めば良いのでしょうけど、書き癖なのか、それとも握力が足らないのか、つい、ササーッと軽く書き流してしまうんですね。どうしても文字と紙のくっつき方が弱くなる。それで、時間が経つと紙から文字が剥がれ落ちてしまう、と。勿論、揺さぶられたりすれば尚更です。ランボーとかヴォードレールだと、こんな事にはならないのでしょうね。だって彼ら、筆圧かなり強そうですから。

《続きは追記からどうぞ》



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ブログ公開八周年記念。

話題:ブログ記念日*゚


お陰のさまさまで、本日、ブログ公開八周年のメモリアルデイを無事迎える運びとなりました。

そこでひとつ、八年という歳月をざっと振り返ってみようと、勢いよく後ろを振り向いたところ…勢いよく首を回し過ぎたせいで軽いムチウチになりました。

八年。もしも私が人間ではなく光で、地球から八年かけて真っ直ぐ進み続けたとしたら、果たして宇宙のどの辺りまでたどり着けているのでしょう…。確か、太陽は地球から8・4光分…年ではなく分ですから太陽などとっくのとうに通り過ぎている事になります。

ウルフ359という千代の富士(九重親方)の居そうな星が地球から7・7光年の距離。

ラランド21185というテーマパークっぽい星が同じく地球から8・2光年の距離。

ブログを公開した07年に光となって地球を出発していたら、今頃はその二つの星の中間辺りに来ている事でしょう。

…以上、本日の『だから何なんだ?』で御座いました。


さて、現在私はブログ公開八周年を祝うべく、金沢八景の八百屋にて猪八戒と八卦占いをしながら八宝菜と八朔蜜柑を食べております。帰宅はもちろん大八車(うっかり八兵衛の手押し)で。

…といった思いつき発言はさて置きまして、何をおいても此処まで歩いて来られたのは、ひとえに皆様方のご愛顧の賜物であると心太、感謝致している次第であります。

――訂正――

×心太(ところてん)

〇心底(しんそこ)

――終了――

八年という時間は長い歳月ではありますが、線路は続くよ何処までも、今はまだまだ旅の途中段階であります。

現在はちょっと、てんやわんやと言いますか、なんじゃもんじゃと言いますか、すたいり〜すたいり〜と言いますか、なかなかにハンプティダンプティな状態が続いており、更新ペースもやや落ち気味とならざるをバナナざるでバザールでござ〜るを得ない訳でありますが……

……なんだか自分でも何を言っているのかよく判らなくなって来ました。

というような感じでこれからも進めて行こうと考えておりますので、どうぞ今後とも宜しくお付き合い下さいませ。



提供:うちわ専門店『風神』



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