話題:突発的文章・物語・詩


靴下の親指の先に小さな穴が空きました。気にしない、気にしない。放っておいたら、穴はどんどん広がって、ついには靴下がまるごと穴になってしまったのです。図らずも両足の靴下同時に。ですので、これでも一応、靴下はちゃんと履いているのです。ただ、それが全部、穴だというだけで。お気に入りの靴下でしたから、こんな風に完全に穴になってしまった今でも、つい履いてしまうのです。あ、靴は単に履くのを忘れただけです。


そう言うと、鼻眼鏡のポン教授は美味しそうにドーナッツの穴だけを食べ始めたのでした。


【終わり】。