話題:なんだと……?


お正月三が日の最後に割りと大きめのショッピングモールに買い物に行ったのです。どれぐらいの大きさかというと…そうですね…けっこうな大きさのショッピングモールがまるまる一個収まるぐらいの広さ…と言えば判りやすいでしょうか。

お正月という事でクラゲも多くモール内はかなりの賑いをみせておりました。失礼、クラゲではなくヒトデの方でした。兎に角まあ人が多い。あまりの人口密度の高さに、一瞬、バングラデシュに来てしまったのかと思ったぐらいです。

そんなモールの通路を和泉元弥ばりにゆったりと狂言師ふうに歩いていると、ピンポンパンポーンと音が鳴り、続けて店内放送というか場内放送が流れて来たのです。

『お客様のお呼び出しを申し上げます…』

ほほう。正月早々から呼び出されるとは、なかなかの曲者(くせもの)…。

『都内からお越しのコマツマサオ様、お連れ様がお待ちでいらっしゃいます…』

ん?コマツの…?

その場に居た何人かがコマツマサオという名前に脊髄反射を起こし、ハッと顔を上げました。

それがいずれも年輩。
ことごとく年寄り。

若い人は全くの無反応です。なるほど、これがジェネレーションギャップというものか…。思うに、この名前は中途半端に古かった…。もし、更に古い名前―例えば、『サカノウエノタムラマロ様…』とか『ヤマタイ国からお越しのヒミコ様…』だったら―ジェネレーションを超えた反応が見られたかも知れない。

そんな戯(たわ)けた事を思いながらも、そう言えば、この正月、町中で凧上げや羽子板、独楽回しをして遊ぶ子供をついぞ一人も見かけなかったなと、時代の変化を痛感したのでありました。

その“コマツマサオ”なる人物が、あの小松政夫氏ご本人であったのかどうかは残念ながら判りません。小松磨咲将というキラキラネームの少年である可能性も多いにあるでしょう。

何はともあれ、2015年はそんな感じで素敵に幕を上げたのでした…。


【終】。