話題:写真詩


小さな蜻蛉(とんぼ)が秋を連れてきた、そんな日は

誰を誘うでも、誰に誘われるでもなく、海へとひとり足を向ける

人影もまばらな波打ち際は夏と秋の境界線で、

遠ざかるヨットの帆

手をふる夏のうしろ姿が見えていた。

今年の夏をアルバムの頁に綴じ込めて、

去りゆく季節に小さく一つ

クシャミをする。