話題:○○やってみた

夜の帳(とばり)が静かに降り始めた帰り道、小さな羽音と共に一匹のカナブンが頭に止まった。

何だかちょっと面白くなった私は、そのままカナブンを頭に載せて歩く事にした。

カナブンゲームの始まりだ。

カナブンが自発的に頭から飛び立つまで無為自然で待つ。それがカナブンゲームの簡単な概要だ。カナブンが自らの意思で飛び立てば私の勝利、我慢出来ず途中で手を出して追い払えば逆に敗北となる。

勝ったところで何のメリットも無いゲームだが、私はそれをやる事にした。そこに理由など無い。バカボンのパパだからパパなのだ。なに、どうせ直ぐに飛び立つだろう。私は完全にタカを括っていた。

ところが、予想に反してカナブンは一向に私の頭から飛び立とうとはしなかった。そんなに居心地が良いのだろうか?私自身は自分の頭の上に止まった経験が無いので残念ながら居心地の程は判らない。

そうこうする内、私はついに家に帰り着いてしまった。カナブンは頭に止まったままだ。動かざること山の如く。武田信玄のようなカナブンだ。

さあ、困った事になった。この状態で家に入るのは流石にまずいだろう。しかし、カナブンを手で摘まみ上げてしまえばカナブンゲームの敗北が決定する。負けても特に不都合は無いが、悔しさは残る。


《続きは追記からどうぞ♪》

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