話題:詩人の一行日記
朝からしとしと雨が降り、薄曇りの空に美しく映える紫陽花の葉上を蝸牛(カタツムリ)並みのゆっくりとした速度で歩く蝸牛(カタツムリ)を、時を忘れて記憶喪失になる程まじまじと見つめ続けていたら、万物の境界が曖昧になり、時間の壁に穴があき、最後には、どういう理由によるものか平仮名の『ぬ』と『む』の違いが解らなくなって来たのです……。
話題:只今スランプ中。
光の勇者【シャイニング輝】が地下の猫王国で五重の塔に関する情報を集めていた頃、待ちくたびれた暗黒仮面はアクビを連発していた。
いったい、何時になったら光の勇者は五重の塔にやって来るのか?
もしかしたら何か変なトラブルに巻き込まているのかも…。暗黒仮面は徐々に不安な気持ちになっていた。
人質の“感じの良いお姉さん”は、嫌な顔ひとつせず五重の塔の最上階で大人しく待ってくれている。まさに人質の鑑(かがみ)だ。先程などは暇をもて余した暗黒仮面を気づかって暇つぶしに手相占いをしてくれた。コツコツとした地道な努力が最後に実を結ぶ…暗黒仮面の手相はそういうコツコツ型の手相だ、と彼女―冴島芙美子―は笑顔で言った。
なんて気立ての良いお嬢さんなのだろう。この娘には幸せになって欲しい。暗黒仮面は素直にそう思った。
出来る事なら今すぐ冴島芙美子を解放してあげたい。しかし、そう出来ない理由が暗黒仮面にはあったのである…。
☆☆☆
そして次回…
20万人もの居住者を抱える日本有数の巨大団地で、昼日中、象の歩く姿が目撃される。
動物園から象が逃げ出したというニュースはない。いや、それ以前に団地の近くに動物園はない。
目撃した人達によると、その象はインド象ともアフリカ象とも少し異なる姿をしているらしい。
寄せられた情報を元に日本政府は総力を挙げて象の捕獲作戦に乗り出すが…。
次回あらすじ大作戦『これが本当のマンモス団地』に、原始人も思わず苦笑い。
話題:読み間違い、見間違い
【MADE-IN TAIPIN】
台湾なのかフィリピンなのかすら判らない製品…ニセ物にも程がある。
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さてさて、サッカーのWカップがついに開幕したようですね。その昔、近所の文房具屋で何故か売られていた安物のスポーツウェアに書かれていた【SOCCER 】(サッカー)の文字を『ソクサー』と読んでいた(そういう名前のメーカーだと思ったらしい)飯島君も、元気でWカップを観戦しているのでしょうか。
まあ当時は、JリーグもJビーフもまだ無かったし、日本がWカップに出場するなど夢のまた夢でしたから、仕方ありませんね。
話題:地味に恥ずかしかったこと
私の高尚な趣味の一つに《スーパーマーケットの散策》があります。地上の風景に四季があるようにスーパーやデパートの店内にも四季折々の商品風景があり、そういった季節感の違いを楽しむのです。
そんな感じで、その日も私は某大型スーパーの食料品売場をゆらりと散歩しておりました。商品のラインナップに初夏の匂いを感じながら歩いていた私の足が止まったのは冷凍食品のコーナーでした。
私の足を止めさせた物は何か?
それは冷凍食品のチキンカツでした。いえ、正確に言えばチキンカツが置かれている場所につけられている値札―価格表示のポップです。その価格は驚きの[47円]。一口サイズのチキンカツが6枚入りで[47円]。これは破格の安さ。もはや、ポップというよりロックです。
概して人は、自分の経験則やそれまでに培った常識から外れているものに対して少なからず警戒心が働くものですが、その時の私も正しくそうで、(これ…値札の価格が間違っているのでは?)、瞬間的にそう思ったのでした。
しかし、経験から少し外れているとは言え、有り得ない数字ではない。そこで私は、近くにいた若者のお兄さん店員Aに確認してみる事にしました。ところが…
店員A「あ、すみません。私、ここの店の人間じゃなくて、商品を搬入しているだけなので…」
何と!店員Aと思われた人物は、実は搬入業者Aだった!
しかし、彼はなかなか親切な男で、少し離れた場所にいる市毛良江さん似の店員を私の所に連れて来てくれたのでした。今度は間違いなく店の人間、リアル店員Aです。改めて私はチキンカツの値札について彼女に訊ねました。ところが…
リアル店員A「ああ、冷凍食品ですか…ごめんなさい、ちょっと部門が違うので…」
何と!店員は店員ながら、別部門の人間。リアル店員Aは別部門店員Aだった!
別部門店員A「申し訳ありません、冷凍食品担当の人間探して来ますので、ちょっとこのままお待ち頂けますか?」
またまた親切な。でも、正直そこまでして貰わなくても…そもそも、そのチキンカツを買うと決めていた訳ではなく、単に値札の価格が気になって訊いてみただけなので。
私「いや、ちょっと気になっただけなので…」
別部門店員A「あ、大丈夫です。すぐ呼んで来ますので。申し訳ありません、ちょっとお待ちください」
別部門店員Aはそう言い残して従業員専用の扉の奥へと消えて行きました。ややあって、その扉から何だか妙にオドオドした感じの、ミスタービーンみたいな若い男性店員が姿を現し、私の方に近づいて来ました。彼こそが冷凍食品部門の店員、リアル店員Aに違いありません。
リアル店員A「ええ…何でしょうか?」
眼が完全に泳いでいるところに一抹の不安を感じながらも、私はチキンカツの値札について再び訊ねました。
私「すみません。このチキンカツの値段なんですけど…[47円]って本当ですか?…何かちょっと安すぎる気がして」
《続きは追記からどうぞ♪》
話題:突発的文章・物語・詩
新宿御苑の地下に広がる猫の王国を訪れた光の勇者【シャイニング輝】は、第374代世界猫王との謁見を果す。
世界猫王は自らを【キャット・キング・コール】と名乗り、サザエさんのオープニングの歌詞にある“お魚くわえたドラ猫”のモデルは何を隠そう自分である、自慢気に語った。
「そのような高名な方とお会い出来て光栄です」
調子よく相づちを打つ光の太鼓持ち【シャイニング輝】。すると猫王は気を良くしたのか、勇者に対し協力を惜しまぬ事を約束してくれた。
目指すは暗黒仮面の待ち受ける《五重の塔》。そこには“感じの良いお姉さん”が囚われの身となっている。先ずは塔の場所を突き止めなければならない。だが…
事態はここへ来て再び足踏みしてしまうのである…。
☆☆☆
そして次回…
ついにピラミッドの隠し部屋が発見される。
数千年の時を経て開かれる石扉。隠し部屋の中央には豪奢な造りの石棺が安置されていた。
そして、石棺に立て掛けられた一本のマジックハンドが、古代史の常識を覆す…。
次回あらすじ大作戦『古代おたく文明』にツタンカーメンの顔色も青ざめる!