話題:ちょっwおまw


夕方、五時半過ぎぐらいだったでしょうか。犬の散歩をしていると、前方より近所に住む顔見知りの姉妹(四歳と六歳)が歩いて来て「こんにちわー!」と元気溌剌な感じで挨拶してきたので、私も負けじと「こんにちわー!」とオロナミンCな感じで挨拶を返しました。

姉妹は、すぐ横の家の玄関前で足を止めチャイムを鳴らしました。ああ…確かこの家には姉妹の友だちの男の子がいたっけ…何の用かは判らないけれども、恐らく姉妹はその子を訪ねて来たのだろう。そんな事を考えながら様子を見ていると(犬が電信柱の匂いをクンクン嗅いでいて動かないので、私も立ち止まらざるを得なかった)、玄関の扉が開いて、その家の奥さん、つまり、姉妹の友だちの男の子のお母さんが顔を出しました。

きちんと挨拶の出来る姉妹ですから、当然、友だちのお母さんに対しても私にしたようにまずは挨拶の言葉を述べます。

姉妹「こんばんわー!」

そうそう、「こんばんわ」。
…えっ? 瞬間、ある違和感が私を襲いました。確か、私への挨拶は「こんにちわ」だったはず。それが今は「こんばんわ」に変わっています。

確かに、この時刻は「こんにちわ」「こんばんわ」どちらも通用する微妙な頃合いです。陽が落ちかけてはいますが、まだ周囲はそれなりに明るい。どちらの昼夜どちらの挨拶を選ぶかは、その人の胸次第と言ったところ。

その姉妹にとっては、私とすれ違った時刻は「こんにちわ時間」で、友だちのお母さんと顔を合わせた時刻は「こんばんわ時間」だったのでしょう。

僅か20秒の間に、姉妹の中でどのような心境の変化があったのかは判りません。しかし、その20秒間に昼(夕方)から夜へと時間は移り変わった。姉妹の中では。

こういう微妙な時間帯、「こんにちわ」と言うべきか「こんばんわ」と言うべきか、私はけっこう迷ってしまいます。何の迷いもなくスパッと切り換えられる姉妹(あるいは子供)がちょっと羨ましい。

散歩を終えて家に戻った後、改めてその事を少し考えてみたのですが…もしかしたら、犬の散歩をしていた私は昼間の続きを生きている状態の言わば[昼間の顔]をしていて、玄関から顔を出したお母さんは夕飯の仕度途中か何かで、これから訪れる夜を先取りして言わば[夜の顔]をしていたのかも知れない…。

昼間の顔と夜の顔。その違いが、姉妹に挨拶を変えさせた。ふと、そのような事を思ったのでありました。


〜おしまひ〜。