話題:今欲しい本
夜中、ベッドの上で横になって本を読み始めた。それは古本屋で買って来た文庫本で、全六巻中の五巻目だった。
すると、読み始めてすぐ、頁の間から何か小さな物がはらりと顔に落ちて来た。
拾い上げて見ると、それは乾燥した小さな葉っぱだった。
四つ葉のクローバー。
恐らくは前の持ち主あたりが栞がわりに頁に挟み、その事を忘れたまま、本を売ってしまったのだろう。
いや…或いは、敢えて頁に挟んだまま「次にこの本を読む者に幸運あれ」という想いで売りに出したのかも知れない。
いずれにしても、
幸運は何時何処でどのような形で訪れるのか判らないものだと、そんな事を改めて思った。
四つ葉のクローバーを再び頁の間に挟んで、その夜の読書タイムを終える。
ベッドサイドのスタンドの灯りを消して目を閉じると、目蓋の裏に、クローバーの咲き誇る野原の光景が浮かんだ。一面に咲くクローバーの中には一冊の書物が置かれている。その書物を開くと、そこにはやはりクローバーの野原が広がっている。そして、そのクローバーの野原の中には一冊の本が…。何処までも続く本とクローバー畑の入れ子構造。
その何冊目かの本を手に取ったところで眠気が私を包み込み、夢想は夢へと移り変わった。
何かしらの夢を見たと思う。
けれども、朝、目が覚めた時には“それがどんな夢だったのか”、いくら頑張っても私はそれを思い出す事が出来なかった。
(オール実話)。
【余談】
一〜五巻までは古本屋で買ったのだけれども…最後の六巻目だけが古本屋に置かれていないのです。
折角ここまで古本で揃えたのに、最後の最後に来て新刊で買うのは少し悔しい気がします。
ここは一つ、全巻を古本で揃える為に第六巻が古本屋に並ぶのを待つべきなのでしょうか。
それとも、ツマラない意地は捨て素直に本屋へと向かうべきなのか。
取り合えず、この第五巻を出来るだけゆっくりと読んで、その間に決めるとしよう。
という事で、私が今欲しい本は「第六巻」です。
これだけの情報でタイトルを当てたらかなり凄い(笑)ヾ(*T▽T*)
〜おしまい〜。