話題:詩
紅鮭の皮がいつになく綺麗に剥けたので、それを軽く一度ひねって端っこ同士をくっつけてみた。
ほら、メビウスの輪の完成だよ。
なのに君は、とても哀しそうな顔をした。
ヒップホップの良さがまるで判らないという黒人のように。(エアサプライが好きなのさ)
スパイス料理が苦手なインド人のように。(今夜はポン酢で湯豆腐だ)
声量の乏しいイタリア人のように。(オペラ?なにそれ?)
紅茶が嫌いなスリランカ人のように。(主に綾鷹を飲んでます)
お洒落に無頓着なフランス人のように。(ぶっちゃけ、しまむらで十分かと)
持久力のないケニア人のように。(マラソン走ると5キロ地点で100%わき腹痛くなるし)
ビールが飲めないドイツ人のように。(なんかビールって苦くないですか?)
野球ひとすじのブラジル人のように。(サッカーって、足とか蹴られて痛いでしょ?)
ピラミッドを遠目でしか見た事がないエジプト人のように。(近いとね、意外と行かないもんだよ)
のっぺりした顔のギリシャ人のように。(ギリシャにだって醤油顔の人は居るんです)
商売の下手なユダヤ人のように。(世の中にはお金より大切な物があるし…って、数字に弱いだけなんですけどね)
紅鮭の皮から生まれたメビウスリングは世界で6番目に哀しい輪っかです。
世界の大きなお盆から
押しくら饅頭で落とされた。
哀しき異端のひと捻り。
切り身となった紅鮭さんが紹介してくれたお友だちは、紅鮭ではなく、サーモンとガーファンクルでした。
〜終〜。