話題:突発的文章・物語・詩

目覚めてすぐモーレツに嫌な予感に襲われた。慌てて文字盤に目をやると、案の上、針は午前8時を指している。しまった!完全な寝坊だ!

思わず俺は頭を抱え込んだ。今日は朝から非常に大切な用事が入っている。それは重々承知していた筈なのに…。今朝は絶対に寝坊出来ないぞ。そう何度も自分に言い聞かせた。なのに、やらかしてしまった!もはや遅刻は免れ得ない。参った…。

目覚ましの予約タイマーはしっかりと午前6時にセットされている。一度鳴った後に止めた形跡はない。という事は、つまり、目覚まし時計は鳴らなかった。こんな時に限って…全く何て事だ。

しかし、いつまでもこうして途方に暮れている訳にもいかない。俺は気を取り直して身支度を整え、全身を思い切り震わせた。

ジリリリリーン♪

プラスチック盤の向こうにいる男が慌てて飛び起きる。

すまない。今日は大切な用事があるのに遅刻させてしまって…。

こんな朝に寝坊するなんて、俺は本当に…

目覚まし時計失格だ。


〜おしまい〜。


―プチ後記―


前に一度、目覚ましが鳴った後、もう少し寝ようと思って、仰向けに寝たまま枕元の目覚まし時計を手に取り、タイマーをセットし直そうとして手を滑らせ、そのまま顔面に目覚まし時計を落とし、驚きとおでこの痛さで完全に目が覚めてしまった事がありました。

決して二度寝を許さない、そんはストイックな目覚まし時計のお話でした。(/▽\)♪