話題:ちょっwおまw

数日前、レンタルビデオ(DVD)屋の話を書いた時にふと頭に浮かんだ疑問がある。

「そう言えば一番最初に借りて観た作品は何だったろう?」

それである。恥ずかしいぐらい単純にして明解な疑問ではあるが、これがどうしても思い出せない。

店の場所は覚えている。某駅南口から光の速さで1秒も掛からない近さに在る、雑居ビルの1階を間借りした小さな店だった。間口は狭く、良く言えば隠れ家的、悪く言えばやる気の無さそうな、そんな佇まいを持っていた。

入会金は千円、レンタル料金も新作旧作問わず千円というザックジャパンを彷彿とさせるざっくばらんさで、確か延滞料金も1日千円だったように思う。今にして思えば滅茶苦茶ザックリした価格設定だが、当時はレンタルビデオなる物がようやく世間に登場し始めた、言わばレンタル文化の黎明期であり標準価格もへったくれも無かったので、価格に関しては各店手探り状態だったのかも知れない。

縦長の店内の最奥左側にレジカウンターがあり、やくみつる氏にそっくりの男性が座っていた。恐らくオーナー店長だろう。そして、接近する私に気付いたやくみつる氏は、ギョロっとした目を此方に向け「いらっしゃいませ」と小さく呟いたのだった…。

眼鏡越しのやくみつる氏の目。

残念ながら私の記憶はいつもそこで途切れる。初めてなので取り敢えず1本だけ何かを借りた事は確かだ。そこはちゃんと覚えている。それがVHS のビデオテープである事も間違いない。何故なら、うちにはβのデッキは無かったから。もちろん、αのデッキもΩのデッキも無かった。

そして、店の列びにある美味いと評判の焼き鳥屋で鶏皮(塩)を10本買って帰ったのも覚えている。


しかし、“その時、借りてきた作品のタイトル”だけがどうしても思い出せない。


何とか思い出そうと記憶の道を歩いて行くと、必ず“やくみつる氏”が私の前に立ちはだかり、これ以上先に進ませまいと、通せんぼをしてくる。右を抜けようとすれば右に、左を抜けようとすれば左に。ザックジャパンを彷彿とさせるマンツーマンのディフェンスである。

そうこうする内、記憶の道は何故か江戸時代へと移行する。

やく「箱根八里は馬でも越すが、越すに越されぬ記憶川。ここは記憶の関所である。通りたくば、通行手形を持ってくるがよい」

私「そ、そのような物は持っておりませぬ」

やく「ならば、私と相撲を取って勝て。さすれば、此処を通してやろう」

こんなふうに最後は必ず、やくみつる氏と相撲を取るはめになる。そして、ザックジャパンを彷彿とさせるやくみつる氏のモロ差しを受けた私が土俵の外へ押し出されて勝負は決する。結局、作品のタイトルは思い出せないまま。

道を先に進む為には、作品のタイトルを思い出す為には、やくみつる氏を相撲で倒さねばならない。だが、それは非常に困難だ。

と言う事で…どなたか…

“私がレンタルビデオ屋で一番最初に借りた作品”が何なのか御存知の方は、是非とも御一報下さいませ♪(/▽\)

御礼に、ザックジャパンを丸ごと1個プレゼント致します♪


(注)――スミマセン。ザックジャパン、実はよく判りません。