話題:ちょっwおまw

俗に“坊主憎けりゃ袈裟まで憎い”などと云いますが、その袈裟ではなく今朝、とどのつまりは今日の朝、出掛けに両親から立て続けに同じ買い物を頼まれたのです。まずは父親から。

父「なあ、悪いんだけど帰りに“ハッピーターン”買って来てくれ」

ほうほう、ハッピーターンですか。父親がハッピーターンを食べている姿など、ここ数百年見た記憶は無いのだが…もしかすると陰でこっそり食べていたのかも知れない。因みに台詞冒頭の「なあ」は刑事コジャックのような声だった。

私「よござんすよ」

次いで母親。

母「あ、そうだ。帰りにハッピーターン買って来てくれる?」

ほうほう、またハッピーターンですか。母親はハッピーターンが好きなので、これは不思議ではない。

私「承知つかまつり候」

母「“いつものやつ”でお願いね」

あいうえおかきくけこさしすせそ…(中略)…ん?

“いつものやつ”?

ハッピーターンは特に家の常備品というわけでは無いので、母の“いつものやつ”という言葉は少しばかり謎だ。しかし、今現在、家にハッピーターンの“ちょっとチーズ味”が一枚だけ残っている事を思い出した私は、恐らく母の云う“いつものやつ”とは、ハッピーターンのプレーンな味のやつをさすのだろうと当たりをつけ、取り敢えずの納得を得たのだった。因みに、何故一枚だけ残っているのかと云うと…最後の一枚を食べた人間が空になった袋をゴミに出さなければならないから。セコすぎる責任回避の駆け引き。

私「いつものやつ。ガッテン承知之介でいっ!…といなせに云いたいところなんだけど…さっき、刑事コジャック(父)にも全く同じ事頼まれたのよね。それってハッピーターン2つ買えって事かな?」

母「えっ本当に?」

私「インディアン嘘ツカナイ♪」

母「1つでいいから」

なるほど。どちらかが私に云うつもりで、どちらも云ってしまったのだろう。

私「では、ハッピーターンの“いつものやつ”を1つ買って帰ります」

そして迎えた夕刻…。

申し付け通りにハッピーターンのプレーンなやつを買って来た私が机の上にそれを置くと、どういうわけか二人は意外な反応を示した。

母「あら、また買って来たの?」

また…って、今朝あなたが頼んだのでは?

父「で、ハッピーターンは買って来てくれたのか?」

何を仰有るウサギさん!
今、あなたの目の前にあるのがハッピーターンではありませんか?もしかしてこれは、禅問答か何かですか?

私「いや、だからですね…ご依頼の品はちゃんとここに…」

母「あらイヤだ。違うわよ。私たちが頼んだのは…」

そう云いながら母が出したのは、
何故かドッグフードの袋だった。

しかし、その瞬間、私は全ての謎を解き明かしていた。


私「それ…ハッピーターンでは無く、【ビタワン】では?」


母と父(同時に)「あっ!」


全く…二人揃って同時にハッピーターンとビタワンを自然体で間違える確率は果たしてどれくらいなのだろうか?

こんな、オチのある“おつかい”は初めてだ…。

そして、残念ながら、これは実際にあった出来事なのです。


〜おしまい〜。