話題:びっくりしたこと

昨日、ちょっとした用事があって数年ぶりに神奈川県の某市にゴトンゴトンと電車に揺られながら行ったのですが…

駅を降りて街へ踏み出したところで、駅前のプロムナード(商店街の中央を走る目抜通り)に何やら凄い人だかりが出来ているのが見えたので、何だろう?と思いながら近づくと、其処には囲碁を打つ人々の姿がありました。

いわゆる路上碁です。

ただし、それは半端な路上碁ではありません。

ズラリと並んだ碁盤の数は驚くなかれ何と1000面!\(◎o◎)/

その1000面が500面ずつ2列に分かれ、数百メートルもあるプロムナードの、ほぼ端から端まで並んでいるのです。そしてその2列の間には日本棋院所属のプロ棋士達の姿があります。それも、二十四世本因坊や名誉棋聖など実にそうそうたる顔ぶれです。

この数年の間にこの街は、街自体が巨大な囲碁クラブになってしまったのか!?(゜ロ゜)

そこで、近くにいた関係者と思しき背広姿の初老の男性に声を掛け、話を聞いてみると、どうやらこれは、日本の代表するプロ棋士たち90人がアマチュアの囲碁愛好家1000人を同時に相手にする『千面打ち』と言うイベントらしい事が解りました。

90人で1000人を相手にするのですから、プロ棋士は1人で10人以上を相手に“同時に”打つ計算になります。…これはもう、凄いとしか言い様がありません。そして、目抜通りの端から端までズラーーっと並んだ碁盤、100人以上もの人間が一斉に碁を打つ姿、その風景は壮観の一言です。

更に面白いなあと思ったのは、アマチュアの囲碁愛好家たちが本当に老若男女入り乱れている事で、難しい顔をして真剣に自分の碁盤を凝視している八十歳は超えているであろうご老人の横に、まだ小学校の低学年と思われる年端もゆかない女の子がニコニコしながら座っていたりして、囲碁人気の幅広さに正直驚かされました。

そうなると当然、写真を…という事になるのですが…何せ人垣が凄すぎて、まともに近づけません。

それでも、何とか人垣の隙間に携帯を差し込んで何枚か撮れましたので、その内の一枚、何だかアル・カポネが街を仕切っていた時代のアメリカから飛び出して来たようなダンディな棋士の方の写真を、まあ問題は無いとは思いますが一応、肖像権の事もあるので、
ちょっと加工してお届けしたいと思います。

それにしても…

椅子に座る事もなく立ちっぱなしのまま、1人で10人以上を相手に同時に打ち続けるプロ棋士の体力と精神力の強靭さには脱帽です。