話題:ちょっwおまw
 

西日暮里の路上で、偶然、友人のSと再会した。

私『やあ、久しぶりだね』

S『おう。珍しいな、君がこの辺りを歩いてるなんて』

そう云えば、Sの家はこの辺にあるんだっけ。

私『ああ、ちょっと墓参りにな。お彼岸は忙しくて来られないから少し早めに、ってとこかな』

S『へぇー、墓参りかあ…真面目って云うか、信心深いんだな』

私『いや、信心深いってわけでも無いけどさ…やっぱり、今の自分があるのはお墓の中にいるご先祖さま達のお陰だと思うし』

S『う〜む立派な心がけだ。なあ…お前、俺の子孫にならないか?』

私『わけ判らない事云うな。君は墓参りとか行かないのか?』

S『ああ…何だかんだで、もう二十年ぐらい行ってないな』

私『そりゃ酷い。ご先祖さま、寂しがってるぞ、きっと』

S『そっかあ…そうだよなあ…』

私『そうだよ』

S『なあ…今、時間あるか?』

私『あるけど…』

S『ちょっと付き合ってくれないか?』

私『いいけど…あ、墓参り行くのか?』

S『まあ、そんな感じかな。お前の話し聞いてる内に、やっぱり先祖は大切にしなきゃな、と思ったのさ』

私『いい心がけじゃないか。OK、多少遠くても付き合うよ』

S『いや、割りと近いんだ…』

30分後…

上野動物園の猿に向かって手を合わせるSの姿があった。

ご先祖さま…

そこまで遡らなくても良いのだが…。


S『ついでに、白クマさんにも手を合わとくか』

私『激しく逸脱しとる…』

《終わり》。