話題:懐かしのドラマ
 

@『家庭のスタンダード』。

厚揚げという食べ物、あるではないですか?(←あるのか無いのかどっちなんだ?)。

豆腐の回りを油揚げが包囲している食べ物、或いは、油揚げの中に豆腐が監禁されている食べ物…ま、物は云いよう、どっちでも良ござんす。

それでもって、厚揚げの調理法ってやつも、まあ、色々とあるわけで…ざっと挙げてみても、煮る、焼く、蒸す、炒める、投げる、羽織る、黄昏る、心を整える、泣いて馬謖を斬る…等々、各人のお好み次第てな感じですけどもね、

問題は焼いた場合。我が家では代々、「焼いた厚揚げには醤油と味の素をかける」と云うのが定番のスタイルになっておって、子供の頃などは、当然それが世界のスタンダード、つまり、ワールドコモンセンス(世界の常識)だと信じ込んでいた訳ですよ。

ところが!所ジョージが!北海道常呂町カーリングチームが!

或る日、他の家の夕食にお呼ばれした時、食卓の上にある焼き厚揚げを見て『味の素は?』と聞いたら『え、何で味の素がいるの?』と云われ、

嗚呼!! 焼いた厚揚げに味の素をかけて食べるのは、我が家だけの習慣であったのだなあ〜(←百人一首の解説ふうに読んで下さい)と。

それでも、それを理解した今においても焼いた厚揚げを見ると、つい、味の素に手が伸びてしまうことよ…(←百人一首の解説ふうに読んで下さい)。

やはり、“三つ子の魂百まで”ではないけれども、幼い頃に身についた習慣と云うのは、なかなか抜けきらないものであるなあ〜(←百人…しつこい)。



A『蝶々』。

蝶々のルビ、つまり、振り仮名は“てふてふ”と書くのが断然好きです。

要は、旧仮名使いが好きなのでせうね。

けふここのへに
におひぬるかな


こんな文を見ると、思わずテンションが上がってしまいます。

それはそうと、花札の赤短冊に書かれている【あのよろし】と云う言葉。あれは“あかよろし”と読むのが正しいという事を初めて知った時は、ちょっと意外な気持ちになりました。

もしも、“の”を“か”と発音するようになったら、

横山ノックは“横山カック”になり、ノックさんではなく“カックさん”と呼ばねばならなくなって、水戸黄門っぽくなってしまう。

更に、ノロノロ運転は“カロカロ運転”になって、カロッツェリアなイタリアンテイストに。野々村真は“カカむらまこと”になって、ブラジルのサッカー選手っぽく。脳外科は“カウ外科”で、牛の病院に。

まあ、色々と大変です。

それでもやっぱり、旧仮名使いに見られるたおやかな情感、“ふ”とか“へ”とか、ちょっと空気漏れしているような脱力感は、忙しのない現代だからこそ大切にしたいものです。

てふてふ。

何度見ても良ひ言葉だ。



B『特捜最前線の凄さ』。

その昔、【特捜最前線】と云う、当時のイケメン俳優たちを一同に集めたコミカルでトレンディな刑事ドラマ(とは真逆の方向性の濃いメンツに濃い内容の刑事ドラマ)があったのだけれども、

そのオープニング。桜田門(警視庁)かな?の前の広場の階段を刑事たちが横一列に並んで早足で降りてくるシーンで、他の刑事たちはキリッとした顔で正面を睨みすえながらカッコ良く大階段を降りてくる中、船村刑事(オヤッさん)役の大滝秀治さんだけが、さり気無く自分の足元をチラッと見て段差を確認しながら転ばないように降りてくるカットがあるのです。

リアリティ溢れるこのシーン。演技ならば素晴らしい芸の細かさ。

でも、ナチュラルに転ばないよう気を付けているだけのように見えて仕方ない。演技か?ナチュラルか?大滝さん、真相や如何に!?

とまあ、それはそれとして…

この【特捜最前線】と云うドラマはキャストが或る意味凄すぎるのです。

或る意味とはどういう意味かと云うと…兎に角、以下のキャスト図
を御覧ください。


藤岡弘= 仮面ライダー1号。

誠直也 = アカレンジャー。

荒木しげる = 仮面ライダーストロンガー 。

夏夕介 = 宇宙鉄人キョーダイン。愛と誠の誠(超絶ヤンキー)。

三ツ木清隆 = 光速エスパー。

二谷英明 = マイティジャック。

桜木健一=柔道一直線。

大滝秀治=南アルプス天然水。


見て判る通り、最後以外はズラリと特撮ヒーローが並んでいるのです。(柔道一直線は変身はしないものの、近藤正臣がピアノの鍵盤の上に乗って足でピアノを弾いたりするので特撮扱いとする)。

これはもう、皆が一斉に変身したら犯人の逮捕などアッという間の最強刑事軍団です。

もっとも、番組企画当初は、刑事が特撮ヒーローに変身して事件を解決するという物だったらしい…。それで、こういうキャストになったのだけれども、結果、正反対の重厚な社会派ドラマとなって大きな人気を得たのだから…全く、判らないものですねぇ(´▽`;)ゞ


【終わり】。