いつかのさくら。

話題:桜


過去に在った物は未来にも在り

未来に在る物は過去にも在った

そんなふうに

桜はいつも

近くて遠い場所で咲いている。


―追記に一言―

 
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読み始めは良さげに思えて…最後まで読むとそうでないもの。


話題:くだらない話


『魚介類のダシをたっぷり染み込ませた……歯医者のマウスピース』。


『昔ながらの製法で素朴に作り上げた……ウィルス対策ソフト』。


『ウィーン少年合唱団による……不時着のアナウンス』。


『7年連続顧客満足感No.1の……刑務所』。


『最高級ブルーマウンテン豆を100%した……ウォシュレット』。


『今だけ20%増量中の……麻酔駐車』。


『三日三晩かけて、じっくりコトコト煮込んだ……しゃぶしゃぶ』。


『消化吸収率抜群の……胃カメラ』。


『青春18……交通違反キップ』。


『新製法で更に風味が増した……脱脂粉乳』。


『象が踏んでも壊れない……杏仁豆腐』。


『一流鑑定士による鑑定書付きの……盗難美術品』。


『昨年度・通販売り上げダントツNo.1の……マムシの血清』。


『今週のベストセラー第1位に輝いた……脱税のハウツー本』。


『今年のB級グルメでグランプリの大本命と言われている、〇〇県白雪町のご当地グルメ……毒リンゴのタルト』。


『みんなが笑顔になる料理……【フレッシュ笑い茸】のソテー(クランベリーソース添え)』。


『ワルシャワフィルハーモニー楽団フルオーケストラ演奏による……大相撲ダイジェストのオープニング』。


『カラヤンの指揮による…笑点のオープニングテーマ演奏』。


『がぶがぶ飲める……濃口醤油』。


『マライアキャリーを凌駕する声域の広さを持つ……竿ダケ屋』。


『イチローの直筆サイン入り……家宅捜索令状』。

『大自然の下、最高の生育環境でスクスクと健康に育った……水虫菌』。 


【終わり】。


これは第2弾も行けそうな感じです\(^ー^)/


 

キラキラした落としもの【12】(完結編)胸の奥にあって失われる事なく輝き続けるもの。

話題:童話

「あの日は…」

誰に訊かれた訳でもなく、アラン・ベネディクトが語り始めました…。

「あの日は、そう…ハイスクールの進路相談の日でした…」

それに依ると、アランはあの日、初めて父親に向かって

『自分も父親と同じ菓子職人になって【ベネディクト菓子店】を継ぎたい。その為に、カレッジには進まずにイタリアかベルギーで菓子作りの修行をしたい』

緊張しながら、そう告げたそうだ。

ところが意外にも父親は反対した。それは、その道のりに、どれ程の苦労が待ち受けているのか彼は身を持って知っていたからだ。しかし、それでも若いアランは一歩も退かずに自分の決意を語り、両親の説得に成功した…。

そして、それこそが【キラキラと輝く球体】の中で映し出された場面だったのだ、とアランベネディクトは三人に説明したのでした。

「小さい頃からずっと、街の人たちに愛される【ベネディクト菓子店】を見て育って…僕は、それを守りたいと強く願ったのです」

噛み締めるようなアランの言葉に、三人が静かに、しかし、深く頷きます。

「でも…いつの間にか僕は“あの時の気持ち”を忘れてしまっていた…だから僕は今日…」

そう言うと、アランはカウンターの後ろに行き、レジの下から一枚の薄い紙切れを取り出して三人に見せたのです。

そこには、こう書かれていました。

《閉店のお知らせ》

それは、マルグリット夫妻が危惧していた事でした。

「でも…」

アラン・ベネディクトが紙切れを破きながら云いました。

「今はもう店を閉めるなんて考えていません。昔ほどの賑わいは無いけれども、それでも店を大切に想って下さる常連のお客様だって何人もいますし、第一…僕の気持ちが昨日までとは違います。簡単に諦めるなんて、あの日の僕に恥ずかしくて…そうか…結局、全ては僕自身の心の問題だったのか…」

最後は完全に独り言のようになっていましたが、ラマン巡査もマルグリット夫妻も、そんな独り言を呟くアラン・ベネディクトの瞳の中に、“キラキラと輝く光”と同じ煌めきを見たような気がしました。

「どうやら…あの【キラキラ】はベネディクトさんの“落としもの”だったみたいね」マルグリット夫人が云いました。

「そういう事なのだろう…」

とマルグリット氏。

「確かに…」

自分の胸の【輝く光】が消えた辺りに手をあてながらアラン・ベネディクトが答えます…

「きっとアレは…今日、僕が店の前に立って、《閉店の貼り紙》をいつ貼ろうか悩んでいた時に僕の中からこぼれ落ちたものに違いありません。でも…結局のところ、あの【不思議なキラキラ】の正体はいったい何なのでしょう?」

アランの疑問に答えたのは、先ほどから何か考え込むように腕を組んでいたラマン巡査でした。

「私が思うに…あの“不思議なキラキラ”の正体は…上手く説明出来ないのですが、なんと云うか…【最初の気持ち】のようなものではないか、と」

「…【最初の気持ち】ですか?」

少しきょとんとした表情でマルグリット氏が聞き返します。

「はい…あの“キラキラ”を覗き込んだ時、私は交番勤務初日の自分、あの時の気持ちを思い出しました。確かマルグリットさんも役所で初めて係長になった時の事を思い出したと仰有ってましたよね?」

「ああ!…確かに云われてみればその通りです!」
「そしてマルグリット夫人…貴女も、初めて街に越して来た時の事や、【虹泥棒の万華鏡】の本を息子さんに読み聞かせていた頃を思い出した。もしかして、【虹泥棒の万華鏡】は貴女が母親として初めて子供に読んであげた本なのではありませんか?」

その言葉にマルグリット夫人の表情が変わりました。


《続きは追記からどうぞ》♪

 
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キラキラした落としもの【11】あの日の風景。


話題:童話

「ど、どうしましたっ!?」

アラン・ベネディクトのただならぬ声に驚いたラマン巡査が訊ねます。すると…

「…僕だっ、僕の姿が見える!」

何と云う事でしょう!アラン・ベネディクトは【キラキラ】の中に“自分の姿が見える”と云うのです。思いも寄らぬ言葉に二の句が告げられないラマン巡査に代わり、今度はマルグリット氏が声を掛けました。

「それは…自分の姿が反射したのでは?」

極めて理性的な見解です。ところが、それに対するアランの答えは、三人を更に驚かせるものだったのです。

「いや、これは…子供の頃の僕だ…間違いない、この風景はうちの店、ベネディクト菓子店です…あ、父さんの姿が!」

興奮した様子で喋り続けるアラン。いったい、今、この【キラキラと輝く空間】の中で、どんな映像が流れていると云うのでしょう!?

ですが、恐らくそれはアラン・ベネディクトの瞳にしか映らない映像に違いありません。三人は黙ってアランの言葉に耳を傾けました。それより他に事態を知る方法は無いのです。

食い入るように【キラキラした落としもの】を覗き込むアランの口から、ポツリポツリと断片的な言葉がこぼれ落ちてきます。

「父さんと僕が何か話を…窓から光が差し込んでいて…この風景…確かに見覚えがある」

夕暮れの迫るベネディクト菓子店に沈黙の時間が流れます。しかし、その静寂の時間は程なくアラン・ベネディクトによって破られました。


《続きは追記からどうぞ》♪

 
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キラキラした落としもの【10】物理の外側。


話題:童話

「あっ!!」

【キラキラした落としもの】を覗き込んでいたアラン・ベネディクトが突然、小さな叫び声を上げました。

「どうしました!?」

ラマン巡査が半ば反射的に訊ねます。

「いま、キラキラの中に人の姿が…」

アラン・ベネディクトの言葉は誰もが予想だにしないものでした。

「…人の姿?」

緊張した顔が一転して怪訝な表情に変わったラマンがオウム返しに聞き返すと、

「そうです、間違いなく人の姿が…あれ?…景色も見えるぞ」

これはいったい、どういう事なのでしょう? 直径僅か数センチのキラキラと輝く球体の中に風景があって、更にはそこに人間の姿が在るなど通常では考えられない現象です。

しかし、アラン・ベネディクトが嘘を吐いているとも思えません。そもそも、嘘を吐く理由がありません。

「…本当ですか?」

ラマン巡査が聞き返します。勿論、それは彼の言葉を疑ってのものではありません。“同じもの”が人によって違って見えると云う不可思議に戸惑っているのです。

確かに、【像】なる存在は“観察者”と“観察対象物”の二つが揃って初めて結べる、云わば“結び目”のような物ですから、その片方が変われば、結び目の形や色もまた違ってくるだろうと云う理屈は解ります。

しかし、それはあくまで学問上の話であって、私たちの暮らす現実世界でそれを実感する事はそうそう無いでしょう。せいぜい、救急車やパトカーのサイレンがドップラー効果で違う音色に聴こえたり、光の当たり方で物の色の濃さや材質の質感が違って感じられるぐらいです。

ですから、こんな風に、ほぼ同じ位置で同じ物を見ているにも関わらず、片方は“虹色の輝き”、片方は“ムービーのような映像風景”に見えると云うのは、不自然極まりない事なのです。

となれば、考えられる答えは只一つ…

この【キラキラした落としもの】が“物理法則の外側”に在るものだと云う事です。

「どれ…ちょっともう一度」

ラマン巡査が再び【キラキラ】の中を覗き込みます。しかし…

「…やっぱり私には七色の輝きが乱反射しているようにしか見えない」

顔を上げてマルグリット夫妻を見ます。

「…私も、宜しいですかな?」

今度はマルグリット夫妻が二人で【キラキラ】を覗き込みます。

「…ラマン巡査と同じく虹色の輝きにしか見えません」

「ええ…私も同じですわ」

それを聞いて不安になったのはアラン・ベネディクトです。

「いや、そんな筈は…」 

納得の行かない顔つきで再び【キラキラ】に顔を近づけたアランでしたが、覗き込んだ瞬間に「ああっ!!」と、短く空気を切り裂くような声を上げたのです…。



☆★☆★☆

次回で完結します♪
\(^ー^)/

このまま最後まで書き切る事も可能だったのですけど…微妙に長い感じになりそうだったので、二つに分割致しました。V(^-^)V

全ては明日…

ローラースルー ゴーゴーの滑り具合いに掛かっているのです!(^o^)/

 
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