話題:小さな幸せ


一つの傘で雨降りの道。


あの日の二人。

濡れないようにと、私の方にばかり傘を向ける貴方の右肩は、いつも雨で濡れていました。

申し訳なくて嬉しくて…それは私。

照れくさくて誇らしげ…それは貴方。

別々の気持ちで
二人一緒に笑っていました。


そんな、いつかの“相合い傘”。





ぽつりぽつりと降りだす雨が、アスファルトの水たまりに小さな波紋を描き始めると、私は決まって思い出すのです。

雨に濡れてた貴方の右肩、その小さな遠い優しさを…。



【詩的トランプ】シリーズ (No.02)


◆追記ページに『もう一つの写真とストーリー』◆

 
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