初めて出会った時から
兄様は私の中に亡妻を見ていると言われ そう信じていた


兄様の 奥様の代わりに姓を名乗り
兄様の 奥様の代わりに与えられた衣食住




私にではなく
私ではなく
永遠に続くと思われた
身代わりの人生は



この双極の丘にて終わる








恐ろしくはない


私は 良く
生かされた



恋次達と出会い

兄様に拾われ

海燕殿に導かれ



そして


一護に 救われた




つらくはない

悲しくはない

悔いはない


心も

遺してはいない




ありがとう

ありがとう

ありがとう





私は
一護に 救われた



…兄様もまた
     悩み苦しみ

そして私の姉であった奥様の代わりではなく
私そのものを慈しんでくれていたと



兄様の告白を聞けたのだ





ありがとう



さよなら

運命の導きを誤ったと
責を負い償いを探し続けていた私