今年もまた
この日が巡ってきたのだな。



あの日と同じく

  まだ梅は花咲かぬ。



白梅を私に喩(たと)え

紅梅を其方に喩え


二人春を待ったのは、
 あまりにも短い年月。




其方を忘れることは叶わぬ。



しかし緋眞…

この春を
これから巡る幾年月の春を

私はこの娘(もの)と迎える。



許しは請わぬ。

其方を想う心に変わりはないのだから。






其方を忘れられぬ私をありのままの姿と厭わぬ娘と、結ばれたのだから……。