父が居た

母も居た



代々脈々と受け継がれし

血より情より濃き

誇りも強さも掟も

常にあった







妻を得た

失った



最期に愛しき者が望んだそれは

自らの代わりに妹を支えてくれと

夫の私にではなく


家族としての願いであった