なだめるのに必死だった。

ハリベルちゃんが、生まれてくる。

ハリベルちゃんの中に感情が育ってる。

それを妨げたくなくて、ボクを受け入れて欲しくて、柄にもなく必死になっていた。





町、海の町

しばらく歩いてたら見えたのでソニードでも舜歩でも使って町に着いた

概要としては現代風にした通りのある魔女のキキの町みたいな所


車も普通にたくさん通ってる

『ハリベルちゃーん。どこ向かってるの?』

「ホテル!!濡れたことに関しては問題無いけどお風呂入んなきゃやだ!!
お茶でも何でも後で行くもん!!」



ハリベルちゃんはボクを置いて駆け出したけれど、追いかけていいらしい。

何故かそう、感じた。


確かに、ハリベルちゃんの唇は自分のしたい事を告げ、その眼はボクがついて行くことを受け入れていた。


クルクルと、花びらが舞う。

ハリベルちゃんと言う
花びら


ボクに降り注ぐ 柔らかな花弁



ああ、そうか。

手折られる花でなく


花びらに見えたのは
ボクの思い違いじゃない。






ホテルに入って振り向くとハルはまだ着いて来てくれていた


「……」

あたしはハルに近寄り「…ロビー、ココにいて」


ハルはクスっと笑って良いよと示した


綺麗で大きくて


笑いかけてくれる

どうして

お前は死神なのに

あたしには

憎くて、殺したいってだけの対象はずなのに


ずっとそればかり考えて

お湯を浴びて

服も洗濯され乾燥機にかけて


ベットで休んで



……?



「!!!!」

起きた。服を着てロビーに降りる。ハルは




そこにまだ居た


あたしに気付くと微笑む


どうして、憎いの

心が壊れてなくなってもあたしがあるのは恨んだから


あたしの憎しみは全てお前らのせいなんだ

あたしが辛いのはお前の課した罰のせい

お前達が規制する罪のせい

あたしはお前達に罪人にされた。

ずっとずっとその憎しみがたまって出来た形の無い憎悪のカタマリで
それを拾ってくれたのが



「…違う、ハルじゃない。
ハルじゃない!!ハルなんかにあたしは救われないの!!」

何で、




そう叫んでた





あたしには

主君のあの方しかなかったのに、


どうして、ハル





ハリベルが苦しんでいるのは、わかった。


ボクと出会ったことで、苦しいんだね。



そろそろ…戻らないと。
七緒ちゃん、怒ってるだろうね。


尸魂界には連れて行けない。

ボクも虚圏にはついて行けない。

現世だからこそ、出会えた。



どうして ハリベル

君に出会ったんだろうね。







沈黙された

時間さえも止まればいい


「…帰れ、もう帰れ」


戻ればいい

お前は空のある、終わりに向かう世界に


あたしは



終わりすら滅びてしまった闇で



悪夢の前の静寂を続けるだけ